2017年2月25日土曜日

成分99%が水の健康食品販売で逮捕者

昆布由来の機能性成分「フコイダン」の健康食品を販売していた会社社長が、警視庁に逮捕された。

フコイダンは、まだまだ新しい機能性成分であり実績に乏しい。しかも、それを純度がわずか1%の商品にしてしまっては効果は望み薄だろう。

同じような背景の健康食品に、黒酵母ベータグルカン(アウレオバシジウム培養液)があるが、こちらは98%が水。つまりは純度が2%程度の製品となっている。50歩100歩と言えよう。

「癌に効く」と宣伝している製品は「癌に効かない」という矛盾も直視しつつ、機能性健康食品は、機能性成分の含有量=純度をしっかりと見極めて購入する必要がある。

2017年2月24日 健康食品「いき水」の販売で逮捕

承認を受けていない健康食品を”医薬品”として販売した埼玉県の65歳の会社社長が警視庁に逮捕された。当該健康食品は成分の「99%以上が水」で、警視庁が詳しい経緯を調べている。

逮捕されたのは埼玉県入間市の健康食品会社を経営する大場秀樹容疑者(65)で、警視庁の調べでは、国から承認を受けていない健康食品を医薬品として販売した疑いによる、医薬品医療機器法違反の容疑。

警視庁によると容疑者は、海藻のぬめり成分を濃縮したという「いき水」という液体が、患者の白血球を活性化させることで、免疫力があがり 癌(がん)にも効く」として医薬品のような効果を宣伝していた。うたっていましたが、成分の99%以上が水と見られるということです。「いき水」は5本で1万2500円で、これまでに全国47都道府県の1600人に1万7000本が販売されていたということです。
調べに対し、大場容疑者は容疑を認め「法律違反だとわかっていたが、よい水なので広めたかった」と供述…

2016年3月17日木曜日

がん治療に有効なバクテリアとは

がんを治療できるバクテリアが、2015年11月に米国シカゴ大学で発見された。

シカゴ大学で発見されたバクテリアは、マウスの胃腸に存在するバクテリアの一種で、「皮膚がん」に対して有効であるされた。これは免疫療法の一種として研究されており、バクテリアは皮膚がんの成長抑制に関しては従前の免疫療法と同レベルの効果が確認された。さらに、ビフィズス菌の投与とバクテリアによる免疫療法を併用した場合は、皮膚がんであるメラノーマの成長をほぼ止めらたのである。

他方、フランスでも、ある種のバクテリアには免疫応答療法を活性化させる効果があることが発表された。

これらは、「マイクロバイオーム」と呼ばれ、多くの製薬会社が一斉に注目する分野となったのだ。

一昔前までなら「消化器官内のバクテリアが免疫系で重要な役割を果たしている」などとは信じようのない暴論だったのだが、今では多くの免疫学者にとっての常識へと変わった。

バクテリアの免疫治療の研究は順調だが、まだ治療の効果が一時的であり、長期間の効果が得られることが目標となっている。そのため、製品化にはまだ5年以上が必要とも言われている。

しかし、バクテリアやマイクロバイオーム、免疫治療の相関に対する注目は高まっており、2015年1月には新薬を熱望するネスレが、バクテリアを利用した消化系に効果的な治療法を開発する企業へ6500万ドル(約74億円)を投資した。


by ZEISS Microscopy


2015年にはスタートアップのVedanta Biosciences社が、ジョンソン・エンド・ジョンソンと炎症性腸疾患に関するマイクロバイオーム薬のライセンス契約を結んだ。大手の製薬会社もバクテリアを利用したがん治療へ、大きな期待を持っているのだ。

2015年11月には、スタートアップの4D Pharma PLC社が乳がん・肺がんに有効なバクテリア薬での動物実験に成功した。4D Pharma PLCでは、人間への臨床試験を2016年から開始する見込みで、これによって、同社が集めた出資金は1億4000万ドル(約160億円)を超えたのだった。

フランスでは、ENTEROME社がバクテリアの分泌物を使った新しいがん治療法を開発中だ。こちらも大きな注目を集めたことから、2016年3月中に1500万ユーロ(約19億円)の融資が行われる予定なのだ。

「ある患者にとっては有効だが、別の患者には有害になる」という薬害問題が新薬には付いて回る。しかしも、人間のマイクロバイオームは多様であるため、免疫療法の効果は一卵性双生児に対してさえも差が生じることが知られている。

無数にあるバクテリアの中からがん治療に有効なものを特定することは困難であり、さらに効果が発揮されるに最適なバクテリアの量を特定することも容易ではない。今後の課題は多いものの、

将来的には、酵母抽出のベータグルカンが普及したのと同様に、がんの予防や治療に効果のあるバクテリアを含む食品やサプリメントが発売される可能性は高い。


by University of Michigan School of Natural Resources & Environment

2016年1月29日金曜日

スマホやパソコンでできる がん検診

 息を吹きかけるたけで、(がん)や糖尿病を診断できる高精度センサーが開発され、2022年には実用化される見通しとなった。

「息の臭い」に含まれている微量の物質を高精度で判別できる小型センサーが開発されたのだ。センサーは「数ミリ四方の小さいチップ」で、搭載された「膜」が呼気の特徴を検知し、がん患者の呼気に含まれている『特有の物質』の有無を検知することで、がんの診断をする仕組み。センサーを含む部品が汎用化されれば、スマホやパソコンなどの周辺機器やアクセサリーとして利用することも可能になり、個人が簡単にグラフや数値でがん検診が可能となる。

「小型がん検知センサー」は国立研究開発法人の物質・材料研究機構(NIMS、茨城県つくば市)が中心となって開発し、京セラ、NEC、住友精化、大阪大、スイスの精密機器メーカーと合同で実用化を進めている。

がん検診が非常に手軽に個人でできるようになるため、がん抑制対策として非常に期待が大きい。

2013年11月20日水曜日

すい臓がん,肝臓がん,肺がん,乳がんに有効な食品

米国のロバートHルリーがんセンターが、発見したすい臓がんに効く食品は、「ナマコ」。

ナマコは英語で"Sea cucumber"つまり「海のきゅうり」と呼ばれるが、日本では中華料理の食材として知られている。

中国では何百年も前からナマコを漢方薬として利用してきたが、その効果は関節炎や炎症性疾患、頻尿、強壮(ED)だった。

米国での実験では、 膵臓(すいぞう)がんのがん細胞に、ナマコのエキスを掛けたところ、がん細胞の増殖が止まっただけでなく、 5分以内にがん細胞が全て死滅したのだ。

また、乳がんの細胞に対しては、ナマコが免疫システム中の細胞を活性化して、乳がん細胞を攻撃することが確認された。

これらの実験によって、ナマコのガン治療への効果が判ったのだ。

これらの抗がん効果は、ナマコに含まれている「フロンドシドA」という成分が有効であると判った。ナマコのフロンドシドAは、 95%の乳がん細胞、90%の黒色腫細胞、90%の肝臓がん細胞、 88%の肺がん細胞を死滅されることが実験で確認されており、副作用も無い。

現在では、ナマコの抽出液はサプリメントとして、液体や粉末化されて抗がん剤治療に利用されている。

2013年10月8日火曜日

がん転移を完全抑制できる仕組みと物質を新発見

がんの転移を防ぐ物質が発見され、既にマウス実験ではガン転移をほぼ完全に抑える薬効が確認された。

がんは原発臓器から血液に乗って他の臓器に転移してしまう。乳がん,大腸がんが、肺や骨に転移してしまうのが、典型的なガン転移だ。

しかし、がん研究会がん化学療法センターが がんの転移を防ぐ化合物を開発した。

がん細胞が身を隠して別の臓器に移る仕組みを突き止め、発見した化合物の作用によって、ほぼ完全に抑え込む実験にマウスで成功したのだ。今後は新薬を人間の体内でも働くよう改良し、5年後を目処として、がん患者への臨床試験(治験)を開始する予定。

がん治療の画期的な新薬発見となる可能性が高く期待が高まっている。

2013年10月7日月曜日

治験開始の小児がん新がん治療法とは

小児がんに対する新しい治療法の治験が始まる。

ペプチド療法は、免疫力を利用した新しいがん治療法で、手術、放射線、抗がん剤に続く、第4のがん治療法への期待が高まっている。

今回の治験は、小児がんへのペプチド療法の効果を検証するため、3種類のたんぱく質断片(ペプチド)を混ぜて薬剤として小児がん患者へ投与し、約1年かけて重い副作用がでないかどうかを確認する。副作用が少なく、治療効果が確認できれば、延命効果を確認する治験の第2段階に移る予定だ。

子供を対象にした免疫療法の臨床試験(治験)は、国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)で実施される。

2013年10月2日水曜日

未来のがん治療装置の新型機開発

効果が高く、副作用の少ないがん治療装置の導入機数が増え、 治療費が安くなる可能性が高まっている。

陽子線を使ったがん治療装置は、がん患部に集中させやすく、肺がん肝臓がんなどのがん治療に効果が高い。新型の陽子線がん治療装置は、照射するビーム線量を3倍以上にすることで、照射時間を最も短い場合で従来の4分の1の約30秒にできようになった。

さらに新型機は従来装置に比べて小型化できたことで、従来の約70%の大きさとなり、旧来は40~50億円と言われた導入費用が大幅に低減されると見られる。

新型の陽子線がん治療装置を開発したのは三菱電機。 2013年度中に厚生労働省に製造販売の承認申請を提出し、早期に販売が開始される見込みだ。

一方、日立製作所でも陽子線がん治療装置を開発中で、高機能の新型機は2014年秋には、北海道大学病院で治療が始められる予定。

未来のがん治療装置と見られていた陽子線がん治療だが、多くの医療機関に導入されていくことで、費用も安くなり、多くのがん患者が安く治療に利用できるようになる日も近いだろう。