2011年6月9日木曜日

TS-1単剤よりも効果的

進行膵癌を対象としたTS-1臨床試験(GEST)結果を米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表

大鵬薬品工業株式会社(本社:東京、社長:宇佐美 通)は、米国時間の6月7日、第47回米国臨床腫瘍学会(ASCO)において、進行膵癌症例を対象としたTS-1臨床試験(GEST*1)の結果が口頭発表されましたのでお知らせします。

膵がんの標準治療薬であるゲムシタビンに対して、経口抗がん剤であるTS-1が非劣性であることが検証され、TS-1とゲムシタビンの併用療法は優越性を検証できませんでした。

- 試 験 結 果 -
・ 主要評価項目である全生存期間は、ゲムシタビン単剤が8.8ヵ月、TS-1単剤が9.7ヵ月であり、同等であることが示されました (HR=0.957,p=0.0003)。TS-1とゲムシタビンを併用する治療法では10.1ヵ月であり、ゲムシタビン単剤よりも優れていることは統計 学的に証明されませんでした(HR=0.875,p=0.1496)。
・無増悪生存期間は、ゲムシタビン単剤が4.1ヵ月、TS-1単剤が3.8ヵ月であり、同等であることが示されました
(HR=1.094,p=0.0237)。TS-1とゲムシタビンを併用する治療法では5.7ヵ月であり、ゲムシタビン単剤よりも統計学的に優れていることが証明されました(HR=0.660,p<0.0001)。
奏効率では、ゲムシタビン単剤が13%に対してTS-1単剤が21%(p=0.0242)であり、TS-1とゲムシタビンを併用する治療法が29%(p<0.0001)であり、いずれの治療法もゲムシタビン単剤よりも統計学的に優れていることが証明されました。
・ 安全性についてはいずれの群も認容可能なものでした。ゲムシタビン単剤、TS-1単剤、TS-1とゲムシタビンを併用する治療法において特徴的なものは、 グレード3以上の血液毒性として白血球減少は19%、4%、38%、好中球数減少は41%、9%、62%、血小板減少は11%、2%、17%でした。グ レード3以上の非血液毒性として下痢は1%、6%、5%でした。
・QOLについては、EQ-5D*2により評価した結果、ゲムシタビン単剤に対してTS-1単剤は差がなく(p=0.61)、TS-1とゲムシタビンを併用する治療法では統計学的に優れていることが証明されました(p=0.003)。
*2 EQ-5D:Euro-QOL 5D 健康水準の変化を基数的に評価するためのQOL質問票

本試験結果において、ASCO発表演者である大阪成人病センター 井岡 達也先生は「膵がん治療の標準療法であるゲムシタビン単独に対して、TS-1が非劣性を示したことは大きな意義がある。経口剤による標準治療を受けることが可能になる」とコメントをされています。
大鵬薬品は、今回のGEST試験の結果は膵がん治療に大きく貢献するものであったと考えております。さらなる検討を進め、膵がん領域における治療法の開発を進めてまいります。


【ティーエスワンについて】
フッ 化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤であるティーエスワンは、吸収後、抗がん剤フルオロウラシル(5-FU)に変換される代謝拮抗物質のテガフール、体内で 5-FUの分解を阻害するギメラシル(5-chloro-2,4-dihydroxypyridine,またはCDHP)、消化管で5-FUのリン酸化を 阻害するオテラシルカリウム(Oxo)3化合物の配合剤です。胃がんの治療薬として開発され、1999年に国内で最初に承認されて以来、胃がんの標準治療 薬となっています。日本においては、他に結腸・直腸癌、頭頸部癌、非小細胞肺癌、手術不能又は再発乳癌、膵癌および胆道癌の6つの追加効能を取得していま す。海外では、韓国、シンガポール、中国、台湾と欧州で胃癌の適応で承認されており、今日まで、ティーエスワンは日本とアジアで870,000人以上の患者さんに使用されています。

【GEST試験について】
本 試験は日本と台湾の共同試験であり、80以上の医療機関が参加し行われました。2007.7~2009.10月の間に834例が登録されました。対象は切 除不能進行再発膵癌の患者さんで、ゲムシタビン単独で治療する群と、経口抗がん剤であるTS-1単独で治療する群、TS-1とゲムシタビンを併用して治療 する群の3つの群に割り付けて比較したものです。評価項目は全生存期間、無増悪生存期間および安全性等としております。ゲムシタビン単独で治療する群は、 1,000mg/m2のゲムシタビンを1日目、8日目および15日目に点滴静注し、22日目は休薬する28日を1コースとしたスケジュールでした。 TS-1単独で治療する群は体表面積に合わせて規定された投与量(80mg、100mg、120mg/日)を1日2回、28日間連続経口投与し、その後 14日間休薬する42日を1コースとしたスケジュールでした。また、TS-1とゲムシタビンを併用する治療群は1,000mg/m2のゲムシタビンを1日 目と8日目に点滴静注し、TS-1は体表面積に合わせて規定された投与量(60mg、80mg、100mg/日)を1日2回、14日間連続経口投与し、そ の後7日間休薬する21日を1コースとしたスケジュールでした。いずれの治療群も規定された中止の基準に該当するまで治療薬投与が繰り返されました。
2011年6月8日 プレスリリース

2011年6月6日月曜日

転移性メラノーマの予後が新薬で改善

皮膚がん治療薬 数十年の成果

シェリル・ストラトスさん(46)は、最も悪性の皮膚がんであるメラノーマ(悪性黒色腫)が転移し、医師から余命6~8カ月と告げられている。   広告会社を経営するストラトスさんは、メラノーマ治療薬「PLX4032」(一般名:ベムラフェニブ(vemurafenib)の臨床試験を2010年2月に開始。今年4月には、肝臓や肺の腫瘍が検出できない程度に縮小した。ストラトスさんは「生き返ったようだ」と語る。
スイスの製薬会社ロシュ・ホールディングと日本の第一三共が開発した同治療薬は、がん生物学における革命的な治療の一つだ。転移性メラノーマは長い間、致命的疾患とされ、 米国では年間8700人が死亡している。現在、ロシュ、第一三共、米製薬大手ブリストルマイヤーズ・スクイブ、英製薬大手グラクソスミスクラインの医薬品の治験が進められ、ストラトスさんのような患者の予後が改善しつつある。
米ダナ・ファーバーがん研究所のメラノーマ部門、ステファン・ホ ディ氏は「科学は進歩している」と述べ、「メラノーマの治療は新たな局面を迎えている。新薬の登場で治療の併用や、生存期間の延長が見込まれる」と述べた。これらの治療で治癒することはないが、腫瘍の遺伝子を標的とし、がん細胞の侵入を阻止する抵抗力を持つことで、治療にどれほどの進歩がみられるか示されている。

グラクソスミスクラインの「GSK2118436」と組み合わせて利用する研究も進められている。同医薬品はメラノーマの転移を促進する変異タンパク質を阻害する。
ストラトスさんの担当医であるカリフォルニア大学の腫瘍専門医、アントニー・リバス氏は、新たな治療法によって、今後5~10年で進行したメラノーマの患者の生存期間が10カ月から20カ月へと2倍に延びるかもしれないと予測する。
今回の研究は、何十年にも及ぶ失敗の歴史が生んだものだ。今年に至るまで、進行したメラノーマの治療薬として承認された医薬品はわずか2種類であり、いずれも延命につながるとは証明されていなかった。米製薬大手ファイザーや独製薬大手バイエル、グラクソスミスクラインなどの企業のメラノーマ治療薬は、最終開発段階でつまずいていた。

2011年6月6日 ブルームバーグ

2011年6月3日金曜日

がん細胞を破壊する食品

身体をガンから守る食材5選


若いうちはガンという病気の恐ろしさについて真剣に考えることは少ないかもしれません。しかし、人間なら老化やそれに伴う様々な病気についていつか必ず直面する日が訪れます。
ガンはとくに生死にかかわる深刻な病気ですが、日々の食生活によってこの病気のリスクをかなり防げることが多くの研究から明らかになっています。自分の健康 管理は自分の責任で行うべきもの、ガン予防に効果があるといわれている食材たちをご紹介するので、毎日の食生活のなかにうまくとり入れて、病気に負けない強い体づくりを目指しましょう。

生姜

洋の東西を問わず、生姜は古くから優れた健康食材として利用されてきました。近年では、強力な抗炎症作用のあるジン ジェロール、ショウガオール、パラドルといった成分が含まれていることが明らかとなり、ガン細胞の成長を抑制するといわれています。とくに動物実験では、 大腸ガン卵巣ガン乳ガン胃ガンの成長を阻むことが確認されています。

キノコ類

シイタケ、シメジ、マイタケ、日本では数多くのキノコ類が食用されていますが、これらには免疫作用を高めるβグルカンや、抗酸化物質が豊富です。中国の最近の調査では、新鮮なキノコ類を毎日少なくとも10グラム以上食べている女性は、乳ガンのリスクが64%も低下したといいます。

緑茶

日本人に深いなじみのある緑茶は、優れた抗ガン作用がある飲み物として海外でも大きく注目を浴びています。緑茶に含ま れるカテキンはとりわけ、皮膚ガン肺ガン卵巣ガン乳ガン前立腺ガン膀胱ガン肝臓ガンの防止に効果があるといわれており、毎日3杯から5杯くらいを目安に飲むことが推奨されています。

ぶどう類

ぶ どう類には抗酸化物質として知られるレスベラトロールが含まれており、この物質は正常な細胞を傷つけることなく、ガ ン細胞だけを破壊する特徴があります。ブドウジュースや、赤ワイン、とくにピノ・ノワールという種類から作られているワインなどから摂取するとよいでしょ う。

ニンニクやタマネギ

ニ ンニクやタマネギに含まれる硫黄化合物には、優れた抗炎症作用があり、デトックス効果抜群です。とくに、ニンニクに 含まれる化合物は、体内の重要な抗酸化酵素系の主成分となるグルタチオンの生産を活発化させ、細胞の老化を防いでくれます。また、美容面でも、シミ、ソバ カスの生成を阻むというメリットがあります。

ほかにも、トマトキャベツブロッコリーベリー類、などがガン予防効果のある食材として、注目されています。これらの食べ物 は、美肌効果に優れていることでも知られているので、まさに一石二鳥のうれしい食材ばかり。ぜひ、健康と美容、両方で効果を出してみましょう。

2011年6月2日木曜日

甲状腺がん新薬

エーザイ、マルチキナーゼ阻害剤「Lenvatinib(E7080)」の第II相臨床試験の予備的解析結果を発表

「Lenvatinib(E7080)」 が進行性放射性ヨウ素治療抵抗性分化型甲状腺がん
対象とする第II相臨床試験で59%の奏功率を実証


エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)は、開発中のマルチキナーゼ阻害剤「lenvatinib(米国一般名、当社開発番号:E7080)」 が、進行性放射性ヨウ素治療抵抗性分化型甲状腺がん患者様を対象とする第II相臨床試験の予備的解析結果で、治験医師評価によるアップデート客観的奏効率 (Objective Response Rate:ORR)が59%(58例中34例、95%信頼区間:45-71)であったことを発表しました。本試 験の結果は、2011年6月6日に、第47回米国臨床腫瘍学会(American Society of Clinical Oncology:ASCO)年次総会で口頭発表されます。

マルチキナーゼ阻害剤「lenvatinib(E7080)」のグローバ ル、非盲検、単群第II相臨床試験は、過去12カ月で疾患が進行した放射性ヨウ素治療抵抗性分化型甲状腺がん患者様58名を対象としました。疾患進行は RECIST評価基準(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors:固形がんに対する効果を判定する際 に用いられる評価基準)に基づいて評価されました。

治療抵抗性分化型甲状腺がんは、治療が困難で生命にかかわる疾患であり、その治療選 択肢は限られているため、アンメット・メディカル・ニーズが非常に高い領域です。「lenvatinib(E7080)」は現在、米国において、進行性放 射性ヨウ素治療抵抗性分化型甲状腺がん患者様を対象とする第III相臨床試験が実施されています。

本試験において、最も頻繁に報告され た有害事象は、高血圧:74%(Grade 3:10%)、タンパク尿:60%(Grade 3:10%)、体重減少:57%(Grade 3:7%)、 下痢:55%(Grade 3:10%)、けん怠感:53%(Grade 3:7%)、でした。患者様の35%は、減量により毒性の管理が可能になりまし た。また、最終的に23%の患者様が有害事象により投与中止に至りました。

当社は、米国、欧州、日本で承認を取得した自社創製の新規抗 がん剤「ハラヴェン」をはじめとして、「lenvatinib(E7080)」、「farletuzumab(MORAb-003)」など、乳がん卵巣がん甲状腺がん子宮内膜がんなどのウーマンオンコロジー(女性特有のがん)分野における製品群の充実化に集中して取り組んでいます。これらの取り組み により、がん患者様とそのご家族、医療従事者の多様なニーズの充足とベネフィット向上により一層貢献し、当社のヒューマン・ヘルスケア(hhc)ミッショ ンを果たしてまいります。

2011年6月2日 プレスリリース

全身がんスクリーニングが7分間

「全身のがんをわずか7分で被ばくなしに検査可能」、Philipsの業界初の“フル・デジタルMRI”が国内で稼働

オランダRoyal Philips Electronics社の日本法人であるフィリップス エレクトロニクス ジャパンは2011年5月26日に都内で記者会見を開催し、業界初をうたうPhilips社製の“フル・デジタルMRI(磁気共鳴断層撮影法)”装置 「Ingenia(インジニア) 3.0T」の国内1号機が、東海大学医学部付属病院(神奈川県伊勢原市)で稼働したことを発表した。

このMRIでは、従来のアナログ方式のMRIに比べて信号強度比が大幅に高まることから、検査時間を従来比で約1/4に短縮できるという。例えば、全身の悪性腫瘍(がん)をスクリーニングする際などに用いる MRI画像(全身拡散強調画像)を7分程度で取得できる。この結果、全身のがん検査を行う手法として、PET(陽電子放射断層撮影)に代えてMRIを利用できるようになるという。

Ingenia 3.0Tの稼働は全世界で5台目、アジア太平洋地域では初めてである。

2011年06月01日 日経BP

2011年6月1日水曜日

抗がん剤副作用による健康被害の救済策

抗がん剤副作用救済策を検討、政府に提言へ- 民主WTが初会合

民主党厚生労働部門会議の「抗がん剤総合対策ワーキングチーム」(WT、座長=長浜博行参院議員)は5月31日、初会合を開いた。同WTでは、抗がん剤の副作用による健康被害の救済や医薬品安全対策の強化などについて、党の意見を集約する。厚生科学審議会の医薬品等制度改正検討部会などの薬事法改正に向けた議論の進ちょくを見ながら、政府側の結論が出る前に適宜、提言していく方針だ。

冒頭、あいさつした長浜座長は、「抗がん剤の安全対策などを含めて、総合的な対策が必要だ」と指摘した上で、「がん対策推進基本計画の見直しや、薬事法改正などに党内の議論を反映させていきたい」と述べた。

事務局長を務める本多平直衆院議員によると、同WTでは、厚生労働省が6月にも検討を始める「抗がん剤副作用死救済制度」と、「医薬品安全対策の強化」の2本柱で議論を進める。必要に応じて、医療関係者や製薬会社などからヒアリングを実施するという。
副座長の柚木道義衆院議員は会合後、記者団に対し、「安全対策が非常に大きな柱だ。ただ、薬事法改正に絡む部分でいえば、新薬の承認・審査体制(の強化)をもう一つの柱として、まさに表裏一体で(検討を)進めていくことになると思う」と述べた。

本多氏によると、初会合では、抗がん剤の使用に関する政策課題について同省から説明を受け、それを基に議論したが、がん医療体制の現状を踏まえて議論すべきとの指摘が出たことから、次回会合では、がん医療の政策全体について同省から再度ヒアリングすることになった。

同WTは、肺がん治療薬「イレッサ」の副作用をめぐる訴訟を受け、抗がん剤の副作用による健康被害の救済策の検討などを目的に設置された。3月に設置が決定したが、東日本大震災の発生で初会合がずれ込んでいた。

2011年05月31日 キャリアブレイン

携帯電話で脳腫瘍リスクが40%増

携帯通話に脳腫瘍リスク WHO専門組織が可能性認める

世界保健機関(WHO)の専門組織の国際がん研究機関(IARC)は31日、「携帯電話の電磁波が脳腫瘍を発症するリスクを増大させる可能性がある」とする調査結果を発表した。IARCはこれまでの調査では電磁波とがん発症について「因果関係は確認できない」との見解を示していたが、その可能性を初めて認めた。

14カ国、31人の専門家から成る研究グループが24~31日に会合を開き、調査結果をまとめた。

全体として発症のリスクがどの程度増えるという数値は出していない。ただ、携帯電話を1日平均30分で10年以上使用した場合、脳腫瘍のリスクが40%増えるという調査結果も一部にはあるという。IARCは「携帯を頻繁かつ長期間使用する人に対する追加的な調査が必要」と指摘した。

発症リスクを減らす対策として、頭部に携帯を近づけずに通話できるヘッドセットの使用のほか、通話ではなく携帯メールに切り替えることを勧めた。

ロイター通信によると、米国の携帯電話の業界団体である移動体通信・インターネット協会(CTIA)は「IARCの分析は携帯電話ががんを引き起こすことを意味しない」と反発。「新たな研究は何も行われていないのに、判断が変更された」と批判した。

2011年6月1日 日本経済新聞