2012年2月10日金曜日

がんとアルツハイマーに効果のある新薬

アルツハイマー病に抗がん剤が効果?

米ケース・ウエスタン・リザーブ大(オハイオ州)によるマウスの実験で、抗がん剤にアルツハイマー病の原因と考えられている異常なたんぱく質を減らす効果があることが判明した。

 アルツハイマー病の原因物質は「ベータアミロイド」や「タウ」と呼ばれる異常なたんぱく質であり、これが脳内の神経細胞に蓄積することが原因と考えられている。

実験では、アルツハイマー病を発病するマウスに対して、抗がん剤の"ベキサロテン"を投与した。結果として、脳内に蓄積したベータアミロイドは72時間で約半分に減少した。さらに、14日間の継続投与によって、最終的にベータアミロイドは約75%も減少する効果が確認された。

論文は10日付米科学誌サイエンスに掲載された。

2012年2月9日木曜日

放射線がん治療の満足度

がん患者に対する「放射線治療に関する調査」結果発表。
放射線外科医療の日本アキュレイ(東京都千代田区)は3日、がん治療の経験者を対象とした「放射線治療に関する調査」結果を発表した。
それによると、自身の罹患したがんに対する放射線治療の適応の有無を「知らない」と回答した人が45.4%に上り、放射線治療の認知度が依然として高くないことを示す結果となった。同調査は無作為に抽出された全国のがん治療経験者618名(男性:309名、女性:309名)に対しインターネットを通じた調査で行われた。期間は2011年8月29日~8月30日。
半数近くが放射線治療の存在を知らないことが明らかになったほか、実際に放射線治療を受けたことがあると回答した人は全体の19.9%に止まった。従来からわが国では、欧米諸国などに比べ放射線治療経験者が少ないと指摘されており、これを裏付けるものとなった。
一方で、がんの3大治療(外科・化学療法・放射線)について、それぞれの経験者に満足度を聞いたところ、「満足」と「どちらかといえば満足」を合計した割合は、放射線治療で83.7%、外科治療で89.9%、化学療法で 73.7%となり、放射線治療の満足度が外科治療に次いで高いことも明らかになった。
今後の各治療についての期待値も、放射線治療は63.6%となり、外科治療の72.6%に次いで患者の期待が高いことも明らかになった。この結果を受け、埼玉医科大学国際医療センター包括的がんセンター放射線腫瘍科の土器屋卓志教授は、調査結果から放射線治療について患者の理解が進んでいないことがうかがわれ、「QOLの高いがん治療のためにも…放射線治療を浸透させ、患者さんの選択肢を広げることが大事」とコメントしている。
2012年2月8日 医療人材ニュース.

2012年2月8日水曜日

熱でがん細胞を死滅させる新治療機器

がん細胞は高温になると死んでしまうものの、正常細胞も高温過ぎると死んでしまう。
がんに対する温熱療法は細胞が死なない程度に体温を上げることで、免疫細胞の活性を向上させる癌治療法と言える。その意味においては、がん患部を温める熱源は何でも良く、磁力を用いなくとも、遠赤外線でもお湯でも体温を上昇させられればがんの治療効果は上がる。古来から人類が実践してきた癌治療法の代表である「湯治」の本質は、温泉で体温を上げることで免疫力が強化され、病変部に対して免疫細胞が作用することが有効なのだ。
問題は、全身を暖め過ぎるた場合の疲労だ。ゆえに機器を使った癌患部周辺だけの効率的な加熱法は有用なのだ。逆の視点からすると、疲労しない程度の入浴による過熱でもがん治療には良い影響を与えることができる。湯治となると大げさになり、覚悟と準備が必要だが入浴の際に疲れない程度に「温まる」ことは今日から始められるがん治療・がん予防なのだ。

子宮頸部の前がん病変、熱で細胞死滅 アドメテックが治療装置愛媛大で臨床試験
 愛媛大学発ベンチャーで医療機器開発のアドメテック(松山市、中住慎一社長)は、子宮頸(けい)がんになる一歩手前の異常細胞を温度を上げて死滅させる治療器を開発した。治療は日帰りが可能で、入院が必要となる切除に比べ患者の身体的負担を軽くできる。医療機器の治療効果を検証する臨床試験(治験)を始めており、2015~16年の発売を目指す。
治療器「ATMC400」は患部を温め異常細胞を死滅させる
 治療器「AMTC400」が死滅させるのは、子宮入り口の表皮にできるがんの前段階の異常「前がん病変」を持つ細胞。この細胞を放置すると、表皮の内側に潜って拡大、子宮頸がんを発症する可能性がある。異常を早く見付け、がん化を防ぐのがこの段階での治療の基本とされる。
 日本では前がん病変の治療法として、前がん病変を含む子宮の一部切除やレーザー照射による細胞死滅などがある。しかし、子宮を傷付ける切除は入院が必要で体への負担が重く、レーザー照射は異常細胞が残る可能性があるという。
 同社が開発した治療器は、患部に刺す小さな針と磁場発生装置の2つで構成する。治療器を使う医師は患部に針を刺し、刺した部分に装置の磁場発生部「アプリケーター」を近づける。
 針を磁場によって温め、患部の温度を異常細胞が死滅するとされるセ氏43度を上回る同50~60度にする。
 原理はIHクッキングヒーターと同じ。アプリケーターがヒーター、針が鍋に相当する。レーザー照射も加温によって細胞を死滅させるのは同じだが、磁場による加温は異常細胞の取り逃しが少ないことが期待できるという。
 治験は前後半に分かれて実施、愛媛大学医学部付属病院で前半をこのほど開始した。12年中に同病院で6人の被験者に対して実施する。後半は全国の複数の病院が手掛ける。治療器は厚生労働省の承認を得たうえで、販売する。価格は現時点で450万~500万円を計画している。
 今後は腎臓がんなど、ほかのがんの前がん病変にも対応できるよう研究開発を進める。
 同社は愛媛大医学部と工学部の研究者らが03年に設立。医学(Medicine)と工学(Technology)が持つ技術の融合を掲げる。11年3月期の売上高は3200万円。現在は動物向けがん治療器が主力。

2012年2月8日 日本経済新聞

2012年2月7日火曜日

末期すい臓がんへ新薬

すい臓がん新薬が治験最終段階へ

標準治療が効かない、いわゆる末期のすい臓がん患者に朗報だ。すい臓がんへ栄養を供給する新生血管を抑制することで余命の延長が期待できる すい臓がん新薬が治験の最終段階へと進んでいる。
治験が最終段階(第III相臨床試験)に突入した癌新薬は、がんペプチドカクテルワクチン療法剤「OCV-C01」。オンコセラピー・サイエンスと大塚製薬が共同で治験を実施している。
「OCV-C01」は、ゲノム包括的解析などの技術が生み出した新薬。正常組織には殆ど影響しないために副作用が少なく、膵臓がん細胞だけに作用する。がん細胞の腫瘍抗原と腫瘍新生血管内皮細胞を標的とした効力が有効な新薬。複数のペプチドワクチンを混合して製剤されている。
末期のすい臓がんには有効な抗がん剤が少ない。一日でも早いすい臓がん新薬の発売が待たれる。

がん転移、死亡の原因を発見

がん増殖制御の酵素発見=転移防ぐ治療に有用-東京医科歯科大
 がん細胞は一般の細胞に比べて細胞分裂のサイクル(細胞周期)が異常に速く増殖するが、東京医科歯科大の研究チームは、細胞周期を制御する酵素を発見し、6日付の米医学誌電子版に発表した。がん細胞の速い増殖は死亡に至る転移の原因にもなっており、仕組みの解明は新たな治療法開発に役立つという。
 細胞分裂の周期はG1、S、G2、Mという4段階からなり、がん細胞ではG1期が異常に短いことが分かっている。
 東京医科歯科大の吉田清嗣准教授らはこれまでの研究で、細胞核の中でがん抑制遺伝子を働かせるスイッチの役割を果たしていることが分かった酵素「DYRK2」に着目。核の外側での働きを調べるうちに、DYRK2を人為的に取り除くと、細胞周期のうちG1期だけが短くなり、細胞の増殖が活発になることが分かった。
 また、DYRK2のない細胞をマウスに移植すると腫瘍が大きくなることも判明。初期のがんよりも進行したがん細胞でDYRK2が少なくなっていた。
2012年2月7日 時事通信

2012年2月3日金曜日

脳に免疫細胞を入れる がん治療

免疫細胞 神経侵入の仕組み解明

血液の中にある免疫細胞が、脳や脊髄に侵入し炎症を引き起こす仕組みを、大阪大学の研究グループが世界で初めて解明し、アルツハイマー病やパーキンソン病など、免疫細胞が症状を悪化させる病気の新たな治療法の開発に役立つと注目されています。

免疫細胞は、体内に侵入した病原体を殺す一方、脳や脊髄などの中枢神経に入り込み、アルツハイマー病やパーキンソン病などの病気を悪化させたりしますが、どのようにして神経に入り込むのか、その仕組みは分かっていませんでした。大阪大学大学院の村上正晃准教授らの研究グループでは、マウスを使った実験を繰り返し、足などの末しょう神経が刺激されると、脳や脊髄の周辺にある血管に穴が出来て、免疫細胞が中枢神経に侵入していく「入り口」になることを突き止めました。免疫細胞が中枢神経に侵入する仕組みが解明されたのは世界で初めてで、免疫細胞が症状を悪化させるアルツハイマー病やパーキンソン病などの新たな治療法の開発につながると期待されています。研究を行った村上准教授は「入り口が分かったので、人為的に閉じたり広げたりすれば、免疫細胞の出入りをコントロールできるようになる。免疫細胞が脳に入り込み症状を悪化させる病気を防いだり、逆に脳に免疫細胞をたくさん入れて、がんなどの治療ができたりするかもしれない」と話しています。

2011年2月3日 NHK

2012年2月2日木曜日

新薬が がん細胞に効かない理由

がんを養う血管においても薬剤耐性が起こることを発見

がんを養う血管においても抗がん剤の薬剤耐性が起こることが発見された。
北海道大学によると、
 ・がん細胞へ栄養を供給する新生血管が,抗がん剤に対して抵抗性を持つ。
 ・がん新生血管が抗がん剤に抵抗性を持つのはある種の遺伝子が原因
 ・過剰な遺伝子の働きで抗がん剤が がん細胞の外へ排出されてしまう。
 ・がん細胞の薬剤耐性の仕組みが解明されたことで、抗がん剤新薬が期待できる。
とのこと。
 がん細胞への「新生血管」は、がん細胞に栄養や酸素を供給することでがんの進展を促進する。さらには、がん細胞の転移にも関与していることが解っている。
近年認可された抗がん剤新薬の「ベバシズマブ」等の血管新生を抑制する抗がん治療は,新たながんの治療法として注目を集めていたが、この抗がん剤の効果が無い、少ない場合の仕組みが解明されたと言える。

がん細胞への新生血管を抑制する新たな抗がん剤の開発が期待される。