2012年2月16日木曜日

抗がん剤にニセモノ

偽の抗がん剤出回る
腸がんや肺がん、腎臓がんなどの治療薬「アバスチン」の偽物が米国で抗がん剤として、出回っている。スイスの製薬大手ロシュが発表した。偽物の抗がん剤「アバスチン」には有効成分が含まれず、当然に治療効果は無い。
偽物には
  (1)製造番号の先頭に文字が含まれる(本物は数字で始まる)
  (2)ラベル表示がフランス語
-などの特徴がある。
米食品医薬品局(FDA)などと協力し、偽物の出所の特定を進めているという。
アバスチンは、がん細胞に酸素や栄養を送る新生血管ができるのを抑える新しいタイプの点滴薬。日本ではロシュ傘下の中外製薬が販売している。

2012年2月15日水曜日

がんワクチンの危険性

子宮頸がんワクチン「接種後30分は立ち上がらないで」
失神66件報告でメーカーが発表
子宮頸がんの予防効果が期待されている4価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン「ガーダシル」を販売するMSDは2月14日、日本でこれまで同ワクチンを接種した約33万7,000人(推定)のうち、接種後の失神例が66件報告されていることなどから、接種後30分はなるべく立ち上がらないことなどを呼び掛けた。失神例が発生している背景には、HPVワクチンは若年女性が主な対象であること、「筋肉注射が痛い」との印象が先立ち、痛みへの恐怖感が増大することなどがあると考えられている。
8割は接種後5分以内に発生
 10歳代の予防接種機会が増えるに従い、国内でも失神例の報告が目立つようになっている。2010年、日本小児科学会は「予防接種後に失神に対する注意点について」の声明を発表した。
 MSDの発表によると、昨年末時点で約33万7,000人の接種例のうち、66例がガーダシル接種後に失神していたことが報告されていたという。同社は同ワクチン接種後の注意点を以下の通り呼び掛けている。

失神に備えて、接種後の移動の際には医療従事者あるいは保護者等が付き添うようにしてください
接種後30分程度は体重を預けられるような場所で、なるべく立ち上がることを避けて待機していただくようご指導をお願いいたします
 同ワクチン接種後に失神が認められた10歳代女性は、1回目の接種では特に問題がなかったが、2回目の接種で妹、母親と来院。その際に「学校で2回目の接種がとても痛い」とのうわさがあったことや、「妹が来院時に痛そうだ、と騒いでいた」のだとか。女性は接種直後、妹に席を譲って立ち上がったところで突然失神、顔面を強打し前歯を折るなどのけがをしたという。
 実際、インターネット上で検索してみると、痛みには個人差がある、過度に恐れる必要はないとの情報が見られる一方、医療関係者が同ワクチン接種時の痛みについて「かなり痛い」と表現している相談掲示板や、一般の人の間では「筋肉注射なので、筋肉のある利き腕に接種した方がより痛い」「失神するくらい痛い」といったコメントも見られる。また、報道にも「(HPVワクチンの)『重い副作用として』強い痛みが報告されている」の文言もあるなど、「HPVワクチンは痛い」と思わせるような情報がかなり多いようだ。
 同ワクチン接種後の失神の80%が接種直後あるいは接種後5分以内に起きているほか、失神例の過半数を10歳代が占めている。失神への対策としては「下肢(脚)を軽く挙上し安静臥床(がしょう=横になる)させる。必要に応じて輸液や酸素投与を行う」という。
 なお、ガーダシルに先行して発売された2価HPVワクチン「サーバリックス」についても、厚生労働省の資料および発売元のグラクソ・スミスクライン公式サイトで詳しい情報を見ることができる。
2012年2月15日 健康百科

2012年2月14日火曜日

最新がん治療法に保険適用の壁

陽子線治療の公的保険適用見送り 新年度、福井県は費用減免制度継続

厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)による2012年度の診療報酬改定の答申で、福井県などが国に要望していた陽子線がん治療の公的医療保険適用は盛り込まれず、新年度からの適用は見送られた。福井県は県立病院陽子線がん治療センターで設けている県民向けの治療費の減免制度を継続する。

 同センターの治療費は照射20回以下が240万円、21~25回250万円、26回以上260万円で、高額な費用負担がネックとなっている。公的医療保険の対象に認められれば自己負担分は3割ですむため、12年度診療報酬改定での適用が期待されていた。
福井県によると、陽子線がん治療の保険適用について、中医協の先進医療専門家会議は妥当と判断したものの、中医協として10日にまとめた答申には反映されなかった。外科手術など他の治療方法と比較した有効性や費用対効果の実績データが不足しているためだという。次回以降の改定で検討は継続される。

福井県はこれまで、西川知事が会長を務める全国粒子線治療促進協議会として昨年11月に要望活動を行うなど国への働き掛けを重ねてきた。次回の14年度改定に向け県地域医療課は「全国の施設の治療実績からデータを集め、さらに訴えを強めたい」としている。
福井県は昨年3月の同センター開所に合わせ、県民に限り1治療当たり治療費25万円を減免、嶺南在住者の通院交通費1回当たり3千円を助成するなどの優遇制度を設けており、12年度も継続する。照射治療に付随する検査、投薬、入院料などは昨年6月から公的医療保険の対象となっている。
2012月2月14日 福井新聞

地図画像

2012年2月13日月曜日

末期がん20リットル腹水抜いて元気に

「腹水=死」の常識が変わる
余命告知から治療再開の例も
KM-CART(腹水ろ過濃縮再静脈注法)

がん性腹水は抜いたら死期を早めるだけ──がん専門医の99%はそう考える。実際、単に腹水を抜くと身体に必要なタンパク質も体外に出てしまい、さらに腹水がたまるという悪循環を起こす。患者は我慢するしかない。これががん医療の常識だった。

 ならば、抜いた腹水から身体に必要な成分だけを分離濃縮して、再び体内に戻せないのか。この素直な発想は難治性腹水を治療する「腹水ろ過濃縮再静脈注法(CART)」として実現、1981年に保険適用もされている。しかし「肝硬変の腹水には有効だが、がん性腹水には使えなかった」と東京都・要町病院腹水治療センター長の松崎圭祐氏は言う。

 がん性腹水には多くの血球成分やがん細胞が含まれるため、ろ過メンブレン(膜)が直に目詰まりし「無理にろ過するとつぶれた血球成分から炎症物質が放出され、体内に戻す際にリスクが生じる」のだ。がん性腹水の治療は隅に追いやられてしまった。

 一方、CARTに可能性を見た松崎氏は製造元と改良に着手。膜の構造やろ過法、目詰まりした膜の洗浄法を考案し、新たに「KM-CART」を完成。2008年からがん性腹水の治療を開始した。その結果は劇的だった。 寝たきりで松崎氏の前任地に来院した60代の膵がんの男性は20リットルもの腹水を抜いて退院。3ヵ月後には仕事再開の電話で松崎氏を驚かせた。8.7リットルを抜いた4日後に、ゴルフで18ホールを回って「楽しかった」と報告してきた乳がん末期の女性もいる。松崎氏は「腹水治療の真骨頂は闘病する意欲が再びわき上がること」だという。

 余命を告知された人が再び口から好物を食べ、ぐっすり眠れるようになる。腹水の圧迫から解放された臓器の血流が回復し、消化排泄機能が戻ってくる。そのまま穏やかに死と向き合ってもいい。しかし気力と体力が甦れば、もう一度抗がん剤治療を、という気持ちも出てくる。余命1週間を告知された70代の卵巣がんの女性は腹水治療後に抗がん剤治療を再開。1年後も元気な声を聞かせてくれた。

「抜いたら弱る」から「抜いたら元気になる」へ。この新常識は医者のあいだでも未だ普及途上だ。症例を積み重ね、「新」の文字が不要になる日が待ち遠しい。
2012年2月12日 

2012年2月10日金曜日

がん細胞を打ち負かす食事法

「断食」はがんを弱体化させる、米マウス研究
がんを患っているマウスに絶食させたところ、腫瘍が弱体化し、化学療法の効果も上がったとする研究結果が、8日の米医学誌「Science Translational Medicine」に掲載された。
 人間でも同様の結果が表れるかどうかは分からず、安全性も不明だが、がん治療の効果を高める研究に、有望な新しい道が開けるかもしれないと研究者らは期待している。
 論文を発表した米・南カリフォルニア大(University of Southern California)のバルター・ロンゴ(Valter Longo)教授(老人学・生物科学)らは2008年に、絶食は正常細胞を化学療法から守るとした研究成果を発表している。ただし、対象は1種類のがんと1種類の化学療法薬に限定されていた。
 同教授のチームは今回、絶食によってがん細胞が脆弱になることを示すため、がんの種類を乳がん、悪性黒色腫(メラノーマ)、神経膠腫(グリオーマ)、ヒト神経芽細胞腫に広げてマウスで実験した。
 その結果、すべてのがんで、絶食と化学療法を組み合わせた場合は、化学療法だけの場合よりも生存率が高く、腫瘍の成長が遅く、さらに(または)腫瘍の転移の程度が低かった。
 2010年には、乳がん、尿路がん、卵巣がんなどの患者10人を対象にした研究で、化学療法の前2日間と後1日間に絶食した場合、化学療法の副作用が少なかったとする自己申告データが報告されている。
 ロンゴ氏は「がん細胞を打ち負かす方法は、がん細胞を狙い撃つ薬を開発することではなく、正常細胞だけが直ちに順応できる絶食などで極端な環境を作り、がん細胞を混乱させるということなのかもしれない」と述べた。
2012年2月10日 AFP

がんとアルツハイマーに効果のある新薬

アルツハイマー病に抗がん剤が効果?

米ケース・ウエスタン・リザーブ大(オハイオ州)によるマウスの実験で、抗がん剤にアルツハイマー病の原因と考えられている異常なたんぱく質を減らす効果があることが判明した。

 アルツハイマー病の原因物質は「ベータアミロイド」や「タウ」と呼ばれる異常なたんぱく質であり、これが脳内の神経細胞に蓄積することが原因と考えられている。

実験では、アルツハイマー病を発病するマウスに対して、抗がん剤の"ベキサロテン"を投与した。結果として、脳内に蓄積したベータアミロイドは72時間で約半分に減少した。さらに、14日間の継続投与によって、最終的にベータアミロイドは約75%も減少する効果が確認された。

論文は10日付米科学誌サイエンスに掲載された。

2012年2月9日木曜日

放射線がん治療の満足度

がん患者に対する「放射線治療に関する調査」結果発表。
放射線外科医療の日本アキュレイ(東京都千代田区)は3日、がん治療の経験者を対象とした「放射線治療に関する調査」結果を発表した。
それによると、自身の罹患したがんに対する放射線治療の適応の有無を「知らない」と回答した人が45.4%に上り、放射線治療の認知度が依然として高くないことを示す結果となった。同調査は無作為に抽出された全国のがん治療経験者618名(男性:309名、女性:309名)に対しインターネットを通じた調査で行われた。期間は2011年8月29日~8月30日。
半数近くが放射線治療の存在を知らないことが明らかになったほか、実際に放射線治療を受けたことがあると回答した人は全体の19.9%に止まった。従来からわが国では、欧米諸国などに比べ放射線治療経験者が少ないと指摘されており、これを裏付けるものとなった。
一方で、がんの3大治療(外科・化学療法・放射線)について、それぞれの経験者に満足度を聞いたところ、「満足」と「どちらかといえば満足」を合計した割合は、放射線治療で83.7%、外科治療で89.9%、化学療法で 73.7%となり、放射線治療の満足度が外科治療に次いで高いことも明らかになった。
今後の各治療についての期待値も、放射線治療は63.6%となり、外科治療の72.6%に次いで患者の期待が高いことも明らかになった。この結果を受け、埼玉医科大学国際医療センター包括的がんセンター放射線腫瘍科の土器屋卓志教授は、調査結果から放射線治療について患者の理解が進んでいないことがうかがわれ、「QOLの高いがん治療のためにも…放射線治療を浸透させ、患者さんの選択肢を広げることが大事」とコメントしている。
2012年2月8日 医療人材ニュース.