2012年3月7日水曜日

がんリスクを14%低減する方法

生活習慣改善でがんリスク低下
生活習慣と全がん発生率との関連を国立がん研究センターが調査したところ、生活習慣を少しでも見直すと、がんが発生するリスクが明確に低下することが証明された。がんリスクを低減させる生活習慣の改善は下記の5項目。
1つの生活習慣を改善するごとに、男性で14%、女性で9%もがんのリスクが低下する。
  1. 喫煙 → 禁煙
  2. 飲酒 → 節酒
  3. 食事 → 減塩
  4. 運動 → 活動
  5. 肥満 → 適正体重
具体的には、「節酒」なら週にエタノール換算で150グラム程度、「減塩」は月に1回のタラコ4分の1腹程度、「活動」は、男性なら筋肉労働や激しいスポーツを1日1時間以上、女性なら歩いたり立ったりしている時間を1日3~8時間以上とされている。「適正体重」に関しては、男性はBMI値…21~27、女性でBMI値…19~25。
なお、調査結果から、上記の生活習慣改善でのがんリスク低下は、年齢に関係なく有効であることも判明した。調査対象者を60歳未満と60歳以上の年齢別に分析しても、結果に差は無く、同様にがん予防効果があったのだ。
この調査は1995~99年に岩手県、秋田県、長野県、沖縄県、茨城県、新潟県、高知県、長崎県、大阪府の10保健所管内に在住していた45~74歳のがんや循環器疾患の既往がない約8万人を対象に、2006年まで追跡調査を実施された。非常に大規模な調査で、信頼性は高い。

2012年3月6日火曜日

大腸がんの最新治療法と生存率

日本人の3人に1人が がんで死亡する。死因の1位である。
中でも大腸がんは生活習慣の欧米化の影響で急激に増加している。
大腸がんの死亡者は男性では肺がん、胃がんに次いで3位、女性のがんでは。ただ、近年は医療技術が進歩し、早期発見で治療することでほぼ確実に治癒できるという。
大腸がんの分類は6ステージ
 大腸は水分を吸収する器官で、結腸、直腸S状部、直腸に分けられる。 大腸がんは進行度によって、6段階のステージ(0、I、II、IIIa、IIIb、IV)に分類。大腸がんの治療法は下記の3つを進行度によって組み合わせる。

  • 抗がん剤治療
  • 手術=外科治療(内視鏡治療を含む)
  • 放射線治療
近年の効果的な抗がん剤が開発されたことで、治療の選択肢は増えている。
がんが大腸の粘膜の中に留まっている状態のステージ0であれば、ほぼ百パーセント治療することが可能とされる。リンパ節転移の懸念が薄く腫瘍が一度に切除できる場合ならば、内視鏡で取り除くことも多い。
 リンパ節転移がないステージI・IIは手術で腫瘍を取り除く。しかし近年の大腸がん手術も腹部を切開しない腹腔鏡(ふくくうきょう)手術の適用が確立された。
腹腔鏡手術は、従来のように大きく切り開いて開腹しない。腹部を炭酸ガスで膨らませ、数カ所の"穴"から内視鏡や鉗子の手術機器を体内へ差し込み腫瘍を取り除くのだ。切開手術に比べて痛みが少なく入院期間も短縮できるのだ、体への負担が軽く、手術後の免疫力・体力低下によるがんの転移再発にも寄与できる。
大腸がんのステージIの5年生存率は90%以上、ステージIIは80~85%とされている。
大腸がんがリンパ節に転移した状態のステージIIIa・IIIbは、手術だけでなく抗がん剤治療の併用が必要となる。また、がんが肺や肝臓などに転移した状態のステージIVでは、抗がん剤や放射線療法などを選択することになる。
全てのがんに共通するように、大腸がんは術後の治療と経過観察が大切だ。特に再発への注意は万全を期せねばならない。しかし、大腸がんは再発しても治すことができる点が他のがんと違うのだ。
大腸がんを克服するためには、当然に早期発見が不可欠であり、検診が極めて重要だ。大腸がん表面からの微量な出血がないかどうかを調べるには、便の潜血検査が簡単で、費用も500円~1000円程度。(自己負担分)。検便検査をするだけで死亡率減少効果を示す十分なデータがあることを、厚生労働省も推奨している。
さらに、万全を期す場合の詳細検査としては、全大腸内視鏡検査がある。大量の腸管洗浄液を飲んで便を全部出し、大腸全体を内視鏡で観察する方法なので非常に精度が高い。
大腸がんは一般的に遺伝性は少ないが、親兄弟に大腸がん患者がいた場合には、生活環境が近いことから発病リスクが高く、検査を頻繁にすることが推奨される。
大腸がんを予防するには、喫煙や肥満、運動不足、過度の飲酒を避けること。全ての健康に共通するバランスの良い食事を心掛け、運動をすることが大腸がんのみならず全ての病気の予防に有効。大腸がん予防に最適なのは腸の動きを活発にして免疫力が高まる有酸素運動なので、水泳やウオーキングなどが最適なのだ。

2012年3月5日月曜日

胃がん、肺がん、すい臓がんの抗がん剤新薬

胃がん、肺がん 抗がん剤新薬への適応追加申請

「胃癌および非小細胞肺癌」への適応を追加に承認申請を行ったのは、大鵬薬品。3月1日に抗がん剤アブラキサン点滴静注用100mg(一般名:パクリタキセル注射剤(アルブミン懸濁型))を、新薬として追加承認申請した。

抗がん剤アブラキサンは、既に「乳がん」への抗がん剤適用で保険承認を2010年7月に取得している。同剤は、人血清アルブミンにパクリタキセルを結合させ平均130nmにナノ粒子化した新剤型・新用量のパクリタキセル製剤。過敏症を予防するためのステロイドや抗ヒスタミン剤の前投薬が必須ではない特徴がある。
抗がん剤アブラキサンは、さらに適応を「非小細胞肺がん、膵がんおよび悪性黒色腫」に拡大するための開発が今も米国で継続されている。

胃がんリスク1.8倍の血液型は?

胃がんか胃潰瘍かを 遺伝子から予測
ピロリ菌が感染すると胃がんの原因となることは周知の事実だ。簡単な検査でピロリ菌の感染は確認が可能だ。さらに胃がんが発生する前にピロリ菌を除去することも薬剤で容易である。
東京大学の研究によって、血液型と1つの遺伝子から、胃の粘膜にピロリ菌が感染した場合に、胃がんになりやすい人と、十二指腸潰瘍になりやすい人を判断できる目処がついた。
ピロリ菌は、日本人の大人のおよそ半数が感染している。このピロリ菌が、胃がんや十二指腸潰瘍の原因となるのだ。
東京大学医科学研究所のグループは、胃の粘膜にピロリ菌が感染した場合に胃がんになりやすい人と、十二指腸潰瘍になりやすい人がいることに注目し、それぞれの患者と健康な人合わせて3万4000人の遺伝情報を分析、上記の結果を得た。
血液型と細胞の増殖に関係するPSCAという遺伝子によって、ピロリ菌が原因で胃がんとなるのか十二指腸潰瘍になるのかが、決まるのだ。
PSCA遺伝子は、人によって3つの型に別れるが、血液型との相関が指摘されている。
     X) 十二指腸潰瘍になりやすい遺伝子型で血液型がOの場合
     Y) 胃がんになりやすい遺伝子型で血液型がAの場合
XとYを比べると、Xは、十二指腸潰瘍になるリスクは3分の1と低いものの、胃がんになるリスクが1.8倍もあることが分かった。日本人には、胃がんになりやすい型のPSCA遺伝子を持つ人の割合が欧米人よりも多いことも胃がん発病が多い原因なのだ。
遺伝子を調べることで胃がんリスクが測れることは、胃がんの早期発見・早期治療が増えることが期待される。

2012年3月2日金曜日

新治療法は末期肝臓がんの余命を倍に

末期肝臓がん患者の生存期間を2倍に

新薬だけががん患者の生存期間を余命を延ばせるわけではない。試すべき治療法はまだまだあるのだ。
韓国の国立がんセンターの研究チームが、既存の治療法を応用した新しい治療法で、手術が不可能な末期肝臓がん患者の生存期間を倍に延ばした。
研究チームは末期の肝臓がん患者に対して、「塞栓術」と「標的治療療法」を一緒に試みた。塞栓術はがん細胞に栄養分を供給する血管を除去することでがん細胞を飢え死にさせる治療法。もう一方の標的治療療法としては抗がん剤「ネクサバール」を投与した。「ネクサバール」は、がん細胞に栄養分を供給する新生血管が新しく発生しない薬効だ。
研究チームは2009年7月~2011年5月の約2年間に、手術が不可能とされた肝臓がん患者50人に対してこの新治療法を試した。
その結果、治療効果維持期間を4ヵ月から7ヵ月へ3ヵ月増やす成果が得られたとのこと。治療効果維持期間とは、発生したがんが大きくならなかったり、新しいがんが発生しない期間。この期間が増えるということは、末期がん患者の生存期間が延びたことを意味している。
抗がん剤の新薬の多くが、末期がんである3、4期のがん患者の生存期間をわずか3ヵ月程度だけ延長した成果をもって新薬承認を獲得している。対するこの新治療法では、患者次第で1年以上の余命延長も可能なのだ。
この新しい治療法は、これから『複合療法』として、さらに詳しい治験を通じて、末期肝臓がん患者の生命を延長が模索される。

2012年3月1日木曜日

2015年に がん根治する画期的な新薬

がん幹細胞薬を15年にも発売
がんの再発や転移の原因となる細胞を「がん幹細胞」という。
現在はまだ既存薬では「がん幹細胞」は治療できない。
しかし、がん領域を専門とする米バイオベンチャー、ボストン・バイオメディカル(BBI社、マサチューセッツ州)が、世界初のがん幹細胞向け抗がん剤を開発中で、2015年に発売を計画中。
開発中の世界初のがん幹細胞向け抗がん剤は低分子経口剤「BBI608」と「BBI503」。うち「BBI608」は既に北米で大腸がんに対する第3相臨床実施試験(フェーズ3)の実施準備段階にある。
BBI社は、大日本住友製薬が買収を発表し、開発中の「がん幹細胞向け抗がん剤」が実用化すれば、がん幹細胞の根治につながる薬ゆえに、多くのがん患者が待望している大型抗がん剤新薬と言える。多くのがん治療に共通する課題である治療抵抗性、再発、転移に対する効果が大きいと期待されている。
開発会社でも年間1000億円以上の売上となる期待の新薬ゆえに、開発が急がれている。

乳がん、前立腺がんの新薬治験

前立腺がん、閉経前乳がんの新薬治験がフェーズ3へ
独自のマイクロカプセル製剤技術により徐放性製剤として開発した前立腺がん・閉経後乳がん治療薬リュープリン(一般名:リュープロレリン酢酸塩)の治験フェーズ3が開始された。
多施設共同・無作為化・非盲検比較試験で、前立腺がん患者、閉経前乳がん患者を対象として、それぞれ約160名の患者登録。同剤は当初1日1回投与であったが、日本では現在は1カ月製剤、3カ月製剤が既に承認済み。
今回は、6カ月に1回投与する製剤の国内フェーズ3を開始する。ちなみに、6カ月製剤は欧米では既に発売されている。