2013年6月20日木曜日

「除鉄」でがん細胞を弱らせる新治療法

がん細胞の性質として、鉄分が減るとがん増殖の速度が抑制されることが解った。 がん細胞にとっては鉄分不足は窮状であり、これを打開するべく血管を新たに引き込もうとする性質があることが解明されたのだ。

このがん細胞の性質を利用、つまりは鉄分をコントロールする=「除鉄」することで、 がん細胞を追い込まれた状態に誘導し、同時に血管新生阻害薬でがん細胞を駆逐治療するのが新治療法の概要だ。

抗がん剤は次々に新薬が開発されるが、がんを根治させる確率は実は極めて低いのが実情。新治療法はがん細胞の防御機構を逆手に利用することで、抗がん剤が効力を発揮できなかった種類の「がん」に対しても高い治療効果が期待できる。具体的には、現行で存在する血管新生阻害作用を有する抗がん剤に除鉄機能を付加することで抗がん効果が高まる可能性がある。

「除鉄」には鉄キレート療法が有効で、1日1回経口で服用するだけの簡便な治療法が承認されています。つまりは、今ある抗がん剤でも十分に応用が可能な新がん治療法の成果に期待が高まっている。

「除鉄」でのがん治療研究は岡山大学が国際バイオ展「BIO tech 2013」へ発表した。

2013年6月19日水曜日

食道がん,子宮頸がん,皮膚がんにダブルで効く新治療法

がん細胞にシートを貼り付けることでがんを治療する新治療法に効果が確認された。

新しいがん治療法は、がん細胞に新開発の特殊なシートを貼り付けることで、手術後でも、体外からシートに磁場をかけ、シートの発熱とシートから出る抗がん剤のダブルの治療効果が得られる。

がん細胞は熱に弱いため、がん患部を45度程度に温める「温熱療法」が効果があることは広く知られている。

新開発のがん治療シートは、磁気を帯びた粒子と、抗がん剤を混ぜた材料で作られている。シートは磁場をかけると発熱して45度程度になり、さらに熱に反応したシートから抗がん剤が放出される仕組みなのだ。

実験では、皮膚がんの培養細胞にシートを適用したところ、1日に5分間磁場をかけて発熱させるだけで、2日後にがん細胞は19%に減った。 抗がん剤だけだと26%、発熱だけだと69%にしか減少しないことに比べて、有意に効果が確認されたのだ。

がん治療シートを新開発したのは、物質・材料研究機構(茨城県つくば市)。

当面の治療対象は、食道がんや子宮頸がんでがん細胞が表面を覆う症例=扁平上皮がんへの効果的な適用が期待されている。

2013年6月18日火曜日

脳腫瘍へ新薬承認

悪性脳腫瘍の治療に用いる抗がん剤「アバスチン」が、新薬として厚生労働省に承認された。

抗がん剤新薬アバスチンは原発性脳腫瘍の中で最も発現頻度が高く悪性度の高い「膠芽腫」を発病したがん患者の治療に有効とされる新薬だ。

アバスチンはスイスの製薬会社ロシュが開発製造している抗がん剤。既に脳腫瘍の治療薬として世界各国で承認されていた。

2013年5月21日火曜日

再燃前立腺がんを根治するウイルス治療法

がん細胞だけで増殖するように遺伝子操作した特殊なウイルスでがんを治療する新治療法が、臨床試験の実施に辿り着いた。

人間の細胞に感染するヘルペスウイルスの一種に対して遺伝子を操作することで、 がん細胞でだけ増殖する治療用のウイルスが開発されたのだ。

がんウィルスを開発した東京大学附属病院では、このがんウイルスを使った臨床試験を前立腺がん治療に対して、今月5月末から開始する。前立腺がんの治療に対して、ホルモン療法が効かなくなったがん患者に対して、がんウイルスを前立腺に2回から4回注射する新治療法を試すのだ。

その後の6か月間で、副作用とがん縮小を検証し、がんウイルス治療の治療効果と安全性を評価する。

がんウィルスによる治療は、既に4年前から悪性脳腫瘍のがん患者を対象に実施され、大きな副作用もなく成果が上がっているという。

近い将来にがんウイルス治療で、多くのがんが根治される治療法となることが期待される。

2013年5月15日水曜日

肺がん,乳がん,肝臓がん,大腸がんの治療費実額

高額な医療費がかかるがん治療。しかし、実際に払う治療費は、国の保険が適用されるため、想像しているよりも少額で済むことが多い。

日本人のがん患者数の上位を占める「胃がん」「肺がん」「大腸がん」「乳がん」「肝臓がん」のがん別に、一般的な治療をした場合の自己負担額を検証した。

なお、検証の前提となる保険は自己負担3割で、かつ「高額療養費制度」を利用している。

【乳がんの治療費】

最も治療費の自己負担実額が大きいのは乳がん。乳がんの平均入院日数は11.8日だが、再発予防治療として、ホルモン療法が5~10年間継続されるために、長期間の治療費が負担を大きくするのだ。乳がんと診断されても、5年後生存率は87.7 %と高い。

乳がんの手術は、可能な限り切除範囲を小さくする“温存手術”が主流だが、切除範囲が大きい場合でも再建手術が非常に進歩している。しかし、人工乳房の再建に要する治療費は、 100%自己負担であり50万~100万円程度が必要となる。

手術後、再発予防のために放射線照射、抗がん剤治療を実施。抗がん剤治療終了後、ホルモン療法と検査を5年間にわたって続ける。入院は手術時だけで、後の治療はすべて外来で行う。

乳がんで温存手術・術後再発予防抗がん剤・放射線療法を行った場合、 5年間の治療費合計は92万円となる。

【肺がんの治療費】

肺がんは進行が早いのが特徴。平均入院日数21.7日で、肺がんと診断された後の5年後生存率は29%と低い。肺がんは、発見時には既に手術が不可能なほどにがんが進行している患者が多く、放射線治療や抗がん剤治療が中心となる。

肺がんに小細胞肺がんで放射線化学療法を実施した場合、2年間で計45万円となる。

肺がんへの放射線化学療法は、まず20日間の入院期間中に、放射線治療と抗がん剤治療を実施。その後の3か月で抗がん剤や、転移しやすい脳への予防的放射線照射を行う。 1年目は治療と検査、2年目は検査が必要となる。

【胃がんの治療費】

胃がんの平均入院日数は、22.6日。胃がんと診断された後の5年後生存率は64.3%と高い。早期胃がんの場合、5年後生存率は9割を超える。

早期で見つかった胃がんは、大掛かりで負担の重い開腹手術ではなく、内視鏡で粘膜を切り取るだけの日帰り手術も可能となり拡がっている。胃がんの内視鏡手術は、お腹に4か所程度の小さな穴をあけ、細い腹腔鏡の先端のメスでがん患部を切り取る術式。手術費用は120万円と高いが、高額療養費制度の適用で実際の患者負担額は9万円程度で済む。

入院は10日、術後の検査費用(毎年3万円)などを含めると2年間での治療費の自己負担額は合計14万円程度となる。

【肝臓がんの治療費】

肝臓がんの治療費は、経皮的エタノール注入療法の場合に2年間で合計21万円。 3年目以降は毎年6万円の検査費用が自己負担となる。

【大腸がんの治療費】

大腸がんの結腸がんの治療費は、切除手術・術後再発予防抗がん剤療法を行った場合で2年間で自己負担の合計が42万円となる。

がんの種類によらず高額化が進む治療費に対して、自己負担の額が抑えられているのは、「高額療養費制度」の恩恵だ。「高額療養費制度」は、数十万円から数百万円に及ぶ高額の治療費用に対しても、患者の自己負担額が2~8万円前後(収入に拠る)に軽減される国の制度。

高額療養費給付の適用を受ける場合でも、患者が治療費の3割を一度支払わねばならない問題があるが、「貸付制度」や還付額を算入した支払額に減額する「委任払制度」がある。貸付額が異なっていたり、医療機関の承認が必要な場合があるので、治療費が高い場合には、早々に病院の医療相談室や保険者へ相談することが肝要だ。

がんは、治る病気となりつつあるからこそ、治療費負担を抑制し、回復後の長い生活へ備えることが重要なのだ。

2013年4月1日月曜日

末期がんががんワクチンで完治した治療例

がん患者自身の免疫力を高めた「がんワクチン」が。注射したがん患部以外の転移したガン細胞も攻撃する効果があることが発表された。

がん治療遺伝子「REIC(レイク)」を発見した岡山大学が、 2011年から実施している実際のがん患者への臨床試験において、直接投与した部位のがん細胞が消滅しただけでなく、他の転移がんの細胞も大幅に減少したのだ。

全身にがんが転移して外科手術では除去できないがん患者や、通常の抗がん剤が効かない進行がんの末期のがん患者などが、新薬の治療対象として期待が高まっている。

新治療法の臨床研究は2011年1月から、 前立腺がんの男性20人を対象として実施されている。 REICの濃度が高いほどがん細胞を死滅させる効果作用が強く、副作用も少ないと安全性も確認できている。

最も顕著な回復例としては、リンパ節5カ所余に転移し、抗がん剤が効かない、いわゆる末期がん状態の男性(60代)の治療回復例。 REICをがん患部へ2回注射したところ、腹部にあった最大の腫瘍(直径最大5センチ)のがん細胞は消失しただけでなく、他の臓器に転移していたがん細胞も大幅に減った回復が確認された。

REICを注射したがん患部だけでなく、他所のがんも攻撃する『究極の遺伝子治療』が実現に近づいている。

2013年3月4日月曜日

進行性・再発性の結腸がん・直腸がんに新薬

結腸・直腸がん治療の抗がん剤新薬が、新たに日本で承認申請された。

新薬は抗がん剤「TAS-102」(トリフルリジンとチピラシル塩酸塩の配合剤)。適応は、「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」とされ、臨床試験では約3ヶ月の余命延長の効果があるとされた。

がん剤新薬「TAS-102」は経口薬で、大鵬薬品が開発中。