乳がん臨床医が選んだ名医10人
選ばれた理由が興味深い。 「臨床経験が豊富」「幅広い知織が豊富」が最大の理由で論文や学会の地位ではないそうだ。- 中村 清吾 (昭和大学)
- 渡辺 亨 (浜松オンコロジーセンター)
- 戸井 雅和(京都大学)
- 岩田 広治 (愛知腺がんセンター中央病院)
- 大内 憲明 (東北大学)
- 野口 眞三郎 (大阪大学)
- 霞富 士雄 (順天堂大学)
- 大野 真司 (九州がんセンター)
- 岩瀬 弘敬 (熊本大学 )
- 西村 令喜(熊本市民病院 )
下記の抗がん剤に製造管理の不備が原因での自主回収などの騒ぎが起きている。
「重篤な健康被害」の恐れは無いが、「一時的な若しくは医学的に治癒可能な健康被害の原因となる可能性がある」。
つまりは、飲んではいけない抗がん剤。
東大など、がん成長抑制分子発見-新たな治療薬に道
東京大学の尾崎博教授や大阪バイオサイエンス研究所などの研究チームはマウスを使い、固形のがん組織の成長を抑える新しい分子を発見した。炎症や免疫に関わる「肥満細胞」が生み出す物質プロスタグランジンD2(PGD2)が、がん組織に必要な血管の生成や免疫細胞の異常などを抑えることを明らかにした。新しい抗がん剤の開発が期待できる。成果は米科学アカデミー紀要電子版に掲載された。
がん組織は生体が持つ免疫機構の攻撃をかわすだけでなく、免疫機構を変化させ、自らの組織の成長に利用している。
がん組織内にある肥満細胞を調べると、PGD2を合成する酵素「H―PGDS」を多く持つことがわかった。そこで肥満細胞にのみH―PGDSを持たないマウスを作り、マウスに腫瘍を移植すると、体内で腫瘍が急速に成長した。
2011年11月30日 日刊工業新聞
肺がんを嗅ぎ分ける「がん探知犬」登場
がん特有の匂い物質と呼気検査
この8月、欧州呼吸器学会誌に、吐いた息から肺がんを嗅ぎ分ける「がん探知犬」の研究結果が報告された。
それによると、肺がんに特有の匂いを嗅ぎ分けるように訓練された犬は、肺がん患者の呼気サンプル100例中71例を「陽性」とし、健康な人の呼気、COPD(慢性閉塞性肺疾患)患者の呼気400例に対しては93%に「陰性」の判断を下した。一般診療で胸部X線による肺がんの検出感度は80%、喀痰検査は40%前後であり、堂々、それ以上の結果が示されたというワケだ。
臭覚に優れた犬が「がんの匂い」に反応することは以前から知られている。最初の報告は1989年に医学雑誌「Lancet」に掲載された論文。コリーとドーベルマンの混合種の雌犬が飼い主のホクロに異常な関心を示したため、不審に思った飼い主が受診したところ、悪性黒色腫が発見された例が紹介されている。
これが世界中で大反響を呼び、同様の報告が相次いだ。なかには通常の尿検査で「陰性」だった患者が探知犬の「陽性」判定を受けて、精査したところ腎がんが発見されたという例もある。日本では2005年から続けられている千葉県南房総市の「セントシュガー がん探知犬育成センター」の研究が嚆矢。今年初め、医学誌「Gut」に報告された九州大学医学部第二外科のグループとの共同実験では、ラブラドールレトリバーの「マリーン」(9歳、雌犬)が9割以上の確率で大腸がん患者の呼気サンプルを嗅ぎ分けた。
ただし、臭覚の個体差や特殊訓練に費やす時間とコストからして検診施設に「がん探知犬」が配属される、なんてことはありえない。そのあたりは研究者も現実的で、実際は探知犬で存在が証明されたがん種特有の匂い物質「揮発性有機化合物」の特定に力を入れている。これがかなえば、すでに一般的に使われている匂い感知器の「電子鼻」を医療用に改良し「匂いの“腫瘍マーカー”による究極の低侵襲検査が実現する」(臨床医)だろう。
日本人の嗜好からするとがん探知機能搭載の犬型ロボットを開発しそうだが、ともあれ、がん検診に「呼気検査」項目が追加される日は近いかもしれない。
2011年11月28日 週刊ダイヤモンド
CTなどでは判別が難しい大きさ数ミリのがんを光らせて、ごく短時間で検出できる試薬を、東京大学などの研究グループが開発しました。肉眼で確認できないがんを見つけ、取り残しを防ぐ技術につながると期待されています。
東京大学の浦野泰照教授とアメリカ国立衛生研究所の小林久隆主任研究員らのグループは、がん細胞の表面に多く現れる「GGT」という酵素に注目し、この酵素に触れると化学変化を起こして緑色に光る試薬を開発しました。
そして、ヒトの卵巣がんを移植したマウスの腹部に試薬を吹きつけたところ、1分ほどで、点在していた1ミリ以下のがんが光りだし、肉眼ではっきりと確認できたということです。今のところ、がん細胞を検出できる確率は卵巣がんで3分の2ほどですが、研究グループでは、さらに細胞の性質を調べて確実な検査法にしたいとしています。
今回利用したGGT酵素は、肺がんや肝臓がん、それに乳がんや脳腫瘍などにも現れるということで、実用化できれば、手術の際に肉眼で確認できないがんを見つけ、取り残しを防ぐ技術につながると期待されています。浦野教授は「手術中にスプレーして小さいがんをその場で見ることができれば、見落としの問題を克服できる。実用化に向け研究を進めたい」と話しています。
2011年11月24日 NHK
がん細胞を直接死滅 岡山大発ベンチャー、新薬開発へ
がん細胞を死滅させ、がんへの免疫力も高める治療薬づくりに岡大発ベンチャー企業が5年間4億円で取り組む。科学技術振興機構(JST)の事業に採択され、資金のめどがたった。前立腺がんや中皮腫、腎がん、乳がんへの効果が動物実験で確認された遺伝子を用いる。
事業主体の桃太郎源(岡山市北区)によると、製剤の元になるのは遺伝子「REIC(レイク)」。無毒化したウイルスに組み込み、直接がんに注射する。がん細胞にREICが増えると、たんぱく質の生産異常を起こして死ぬ。REICが普段からある正常な細胞は、少し増えても問題はない。
さらに、死んだがん細胞の断片がワクチンのように働き、がんに対する免疫を高めるという。
岡山大病院では、REICの特許権を持つ公文裕巳教授らが、ウイルスに組み込んだREICを前立腺がん患者で臨床研究中。今のところ安全性に問題は無い。今回は臨床研究中の製剤を改良する。ウイルスへのREIC遺伝子の入れ方を工夫し、薬効を10~100倍に上げ、5年以内に腎がんでの臨床研究を目指すという。
2011年11月5日 47News