2011年4月25日月曜日

厚生労働省が新薬を承認

厚労省 新薬など13成分33品目を承認

厚生労働省は4月22日、新薬など13成分33品目を承認した。これらの薬価収載は通常なら6月になるが、震災の影響を考慮して安定供給に万全を期すため同省は当面は1カ月程度先延ばしすることを決めており、今回は7月にする予定。

がん関連の承認新薬は下記のとおり。

トラムセット配合錠(トラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン、ヤンセンファーマ)
「非オピオイド鎮痛剤で治療困難な非がん性慢性疼痛及び抜歯後の疼痛における鎮痛」を効能・効果とする新医療用配合剤。
 痛みには広くNSAIDが使われているが、次のステップとして使われるのが非麻薬性オピオイド系薬剤。同省審査管理課によると、アセトアミノフェンを配合し、トラマドールの成分量を37.5mgに抑えることで、トラマドールを50mgまで増量した場合と同じ効果を維持しつつ、悪心や傾眠などの副作用を軽減することが治験で確認された。非麻薬性オピオイド薬をより患者の状態に合わせて使えるようになる。

ハラヴェン静注用1mg(エリブリン酸塩、エーザイ)
「手術不能または再発乳がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
 同剤は、国際臨床試験(EMBRACE試験)では主要評価項目の全生存期間が、エリブリン単剤で13.12ヵ月と、対照群である治験医師選択療法施行群より2.5ヵ月有意に延長。次期国際戦略品として10年3月に日米欧同時承認申請され、日米とも優先審査品目に指定。米国では10年11月に承認を取得している。

2011年4月25日

2011年4月21日木曜日

抗がん剤の嘔吐に改善効果

大鵬薬品、スイス社と制吐配合剤でライセンス契約

 大塚ホールディングスの子会社、大鵬薬品工業(東京・千代田)はスイスの製薬会社ヘルシン・ヘルスケアと新たな制吐剤配合剤についてライセンス契約を結んだ。作用メカニズムが異なる2つの成分「パロノセトロン」と「ネツピタント」を含む。大鵬薬品工業が化学療法中のがん患者の薬として、日本で前臨床開発と臨床開発にあたる。

 パロノセトロンはセロトニン(5―HT3)受容体拮抗薬で、抗がん剤投与から24時間以上遅延して表れる嘔吐(おうと)に改善効果が高い。一方のネツピタントはニューロキニン(NK―1)受容体拮抗薬で急性期に効果を発揮する。

2011年4月19日 日経産業新聞

2011年4月19日火曜日

がん5年生存率20%低い

市民の100人に1人ががん患者、肺がんが罹患率トップ―上海市

2011年4月16日、上海市民の100人に1人が、がん患者であることが分かった。17日付で東方早報が伝えた。

市衛生局が開催した第23回上海市腫瘤予防・治療宣伝ウイークのメディア交流会で発表された。上海市のがん罹患率、死亡率、患者数はいずれも国の平均を上回っている。それによると、上海市民のがん罹患率は1.56%、100人に1人以上ががん患者という計算になる。5年生存率は35.54%で、先進国と比較すると20ポイント近く低い。

最も罹患率が高いのはこれまで肺がん、胃がん、肝臓がんの順だったが、最近は肺がん、乳がん、大腸がんの順になっている。罹患率が減少しているのは胃がん、肝臓がん、食道がん、子宮頸がん。反対に増加しているのは乳がん、直腸・結腸がん、膵臓がん、前立腺がん、卵巣がん。

2011年4月19日 Record China

2011年4月18日月曜日

30%以上の患者が肝臓がん

C型肝炎がん関係遺伝子 特定

将来、肝臓がんになるおそれがあるC型肝炎の患者で、がんになりやすいかどうかに関係する遺伝子を東京大学の研究グループが特定しました。治療法の選択や薬の開発に役立つ可能性があると期待されています。

C型肝炎ウイルスに感染して慢性肝炎を発症すると、数十年後には30%以上の患者が肝臓がんになるとされています。東京大学医科学研究所の研究グループは、C型肝炎の患者で肝臓がんのなりやすさに違いがあるか調べるため、全国の患者に協力を求め、遺伝情報を詳しく分析しました。その結果、免疫の働きと関連の深いMICAという遺伝子で、配列に1か所異なる部分があると肝臓がんになるリスクが1.8倍高まることが分かりました。

研究グループでは、遺伝子の型が異なって免疫の働きが弱まると、がんのリスクが高くなるとみています。C型肝炎の患者で、肝臓がんになりやすいかどうかに関係する遺伝子を特定したのは初めてだということです。東京大学医科学研究所の松田浩一准教授は「がんのリスクに応じてそれぞれの患者の治療法を選択したり、薬の開発に役立てたりできるよう研究を進めたい」と話しています。

2011年4月18日 NHK

2011年4月15日金曜日

放射能を除去できる健康食品

「ゼオライト」にも、「楽笑(βグルカン)」にもは放射能を除去できる機能など無い。

βグルカン」は免疫力の向上によってがん治療に使用されることの多い商品だが、放射線治療の副作用を抑制することはあっても、放射能を除去するような効果までは期待薄だろう。

逮捕者の出た「ゼオライト」よりも、「楽笑、βグルカン」の自作自演、口コミを用いた広告宣伝は目を疑うものだが、騙される消費者はかなりの人数の模様。そもそもβグルカンの健康食品としてさえも、その純度の低さが原因で黒酵母βグルカンは低迷している。βグルカン健康食品の中では黒酵母βグルカンの「楽笑」は成分が希薄にもかかわらず高級な商品として特殊な存在なのだ。

それでもβグルカン健康食品を求めるなら、せめてパン酵母抽出の高純度品にしたいものだ。
デマに流されず、賢明な買い物を心掛けよう!


2011年4月5日 読売新聞

「放射性物質を体外に出す」ニセ薬をネット販売

体内被曝(ひばく)への効能をうたい、米国から輸入した健康食品を無許可販売したとして、警視庁は5日、健康食品販売会社社長・梅若文孝(50)(神戸市灘区宮山町1)、同社従業員・千葉なつみ(29)(同)の両容疑者を薬事法違反(無許可販売など)の疑いで逮捕した。

2人は東日本大震災後、福島県や関東地方などの1000人以上にこの健康食品をインターネット上で販売し、2400万円以上を売り上げていたという。

 発表によると、2人は3月25日、茨城県守谷市の女性(48)に対し、「これを飲めば放射性物質を吸着し、約6時間で排せつする。臨床データもある」などと偽り、米国から輸入した飲料用の健康食品「プレミアムゼオライト」3本を計1万5000円で国に無許可で販売するなどした疑い。同庁によると、体内被曝への効能は確認されていないという。

JUGEMテーマ:健康

2011年4月12日火曜日

甲状腺がんに新薬

FDA 甲状腺がん治療薬Vandetanibを承認

米食品医薬品局(FDA)は4月6日、VEGFRおよびEGFRチロシンキナーゼ阻害剤Vandetanibについて、切除不能および進行性の後期(転移)甲状腺髄様がんの適応で承認した。

米国では2010年に甲状腺がんと診断された患者は約4万4600人、死亡者は1690人。一般的に甲状腺がんのうち、希なタイプとされ3-5%が甲状腺髄様がんといわれている。

甲状腺髄様がんの主な症状は咳、嚥下困難、甲状腺肥大、頸部腫脹、甲状腺上のこぶ、変声・嗄声など。甲状腺髄様がんの薬剤は現在、FDAが承認したものはなく、同剤が初の薬剤。同剤の安全性・有効性は後期甲状腺髄様がん患者331例のRCTで検証された。

2011年4月12日

イチゴの食道がん予防効果

イチゴに食道がん予防効果の可能性―米研究者

米オハイオ州立大学を中心とした研究チームが6日明らかにした暫定的な調査結果によると、イチゴによって食道がんが予防できるかもしれないという。フリーズドライしたイチゴを6カ月間摂取した約30人において、形成異常、つまり前がん状態の病巣の進行が鈍化した。

チームリーダーである同大学腫瘍学部のトン・チェン准教授が米国がん研究会議(AACR)の年次会合で発表した。 

同准教授によると、食道がんは胃腸系で3番目に多くみられるがんで、世界で6番目に多い死因だという。米国がん学会(ACS)によると、米国では年間約1万6000人が新たに食道がんと診断されている。

チームの研究対象は食道がんの中で最も多いタイプの食道扁平(へんぺい)上皮がん。同チームは食物やその他の物質ががんを予防する可能性があるかどうかについて調べている。これまでにネズミを対象にした実験で、フリーズドライのイチゴが腫瘍の増殖を大幅に抑えることができたことが分かっている。

研究チームはヒトを対象にした小規模な臨床試験を計画し、カリフォルニア州イチゴ委員会に協力を打診したところ、同委員会は試験への資金拠出とフリーズドライしたイチゴの提供に同意した。同委員会はイチゴ業界が出資する州の機関。 

チェン准教授の研究チームは中国で、食道に軽~中程度の形成異常がある38人を対象とした試験を実施し、うち36人が完了した。試験の前後には食道の生体組織検査を行った。被験者の平均年齢は約55歳だった。 

被験者はフリーズドライのイチゴ30グラムをコップ1杯の水で溶かしたものを1日2回(日量60グラム)、6カ月間摂取するよう指示された。チェン准教 授によると、フリーズドライのイチゴは生のイチゴよりも約10倍濃いが、生のイチゴを毎日食べることによっても効果があるとみているいう。

試験の結果、前がん病変の組織学的グレード(悪性度)の低下、つまり病変の増殖鈍化が見られたのは36人中で29人だった。チェン准教授は結果を裏付けるためには、規模の大きいランダム化されたプラセボ(偽薬)対照試験を行う必要があると指摘した。 

同准教授は、イチゴのどの成分に抗がん効果があるかは分からないと述べた。ただしイチゴにはさまざまなビタミン、ミネラル、それに植物化学物質として知られるその他の物質が含まれていると指摘した。こうした植物化学物質は他のベリー類の一部にも含まれている。
2011年4月7日 ウォールストリートジャーナル

がん抑制作用の野菜発見

がんに強い中島菜 抑制酵素、ワサビの5倍

収穫される露地物の中島菜。発がん抑制作用が新たに確認された

能登野菜の一つ中島菜は、酵素グルタチオン・S・トランスフェラーゼ(GST)を多量に含むことから強い発がん抑制作用が期待できることを、東洋大の下村講一郎教授が突き止めた。7日に七尾市神明町のJA能登わかば本店で開かれた勉強会で紹介した。同JAはGSTの機能性を考慮した新たな商品開発やPR活動を検討する。

下村教授の研究室が同大の農場で育てた生の中島菜サンプルを分析したところ、これまでGSTを含む野菜の代表格とされてきたワサビの5倍のGSTを検出。食品の中でも群を抜いて多いとみられることが分かった。

分析を担当した同大大学院生命科学研究科3年の加藤美佳さん(26)によると、ゆでるとGSTが減ることも分かった。加藤さんは「地元の一般的な調理法である漬物にすると、GSTが若干減少するだろう」と推測し、今後の研究課題としている。

下村教授は、同JAの協力を受け、中島菜の機能性の研究を進めている。これまでに、中島菜の辛味成分イソチオシアネートに強い抗がん・抗菌作用があることを確認した。

発がん抑制作用が新たに確認された中島菜について同JAは「健康への作用を生かせる商品開発を進めたい」(営農部)とし、PRにも役立ててさらなる販路拡大につなげたいとしている。

2011年4月8日 富山新聞

危険ながんを3秒で判別

阪大、細胞の画像からがん判別-3秒で危険度を色分け

大阪大学の中根和昭特任准教授は、細胞切片の画像からがん組織を判別する手法を確立した。がん細胞の増殖に伴い変化する細胞の接着具合をパソコンで読み取って定量化し、危険度を色で分ける。がんかどうかを客観的に判断できる。1サンプルあたり3秒程度で測定できるため、疑わしい部位を網羅的に診断することも可能。今後、症例を増やして5年以内の実用化を目指す。

ドイツ・ハノーバー市で開幕中の見本市「ハノーバー・メッセ2011」で7日に研究成果を発表した。
新手法には数学の位相幾何学ホモロジーという手法を応用した。がん細胞は異常に増殖するため、正常な組織と比べると面積あたりの細胞密度が大きくなる。
がんが疑われる部位の切片画像を読み取って密度を定量化し、値の大きさによって段階的に色で分ける。密度が大きいほどがん化している可能性が高い。危険部位は色が濃く、正常な部分には色がつかない。

2011年04月08日 日刊工業新聞