2011年4月12日火曜日

危険ながんを3秒で判別

阪大、細胞の画像からがん判別-3秒で危険度を色分け

大阪大学の中根和昭特任准教授は、細胞切片の画像からがん組織を判別する手法を確立した。がん細胞の増殖に伴い変化する細胞の接着具合をパソコンで読み取って定量化し、危険度を色で分ける。がんかどうかを客観的に判断できる。1サンプルあたり3秒程度で測定できるため、疑わしい部位を網羅的に診断することも可能。今後、症例を増やして5年以内の実用化を目指す。

ドイツ・ハノーバー市で開幕中の見本市「ハノーバー・メッセ2011」で7日に研究成果を発表した。
新手法には数学の位相幾何学ホモロジーという手法を応用した。がん細胞は異常に増殖するため、正常な組織と比べると面積あたりの細胞密度が大きくなる。
がんが疑われる部位の切片画像を読み取って密度を定量化し、値の大きさによって段階的に色で分ける。密度が大きいほどがん化している可能性が高い。危険部位は色が濃く、正常な部分には色がつかない。

2011年04月08日 日刊工業新聞