2011年3月1日火曜日

抗がん剤新薬候補へ760億円

第一三共、米抗がん剤VBを買収 最大760億円

第一三共は1日、米医薬品ベンチャーのプレキシコン(カリフォルニア州)を買収すると発表した。プレキシコンの全株式を8億500万ドル(約660億 円)で取得する。第一三共は臨床試験(治験)中の新薬の発売に成功した場合、売り上げに応じて追加で最大1億3000万ドル(約106億円)を支払う可能 性がある。プレキシコンは抗がん剤を得意としており、第一三共は買収で抗がん剤を中心に新薬候補を拡充する。

プレキシコンは2001年に設立。非上場で、従業員数は約45人。皮膚がんの一種であるメラノーマの治療薬が欧米で治験の最終段階に入っているほか、乳がんの治療薬と関節リウマチの治療薬も治験をしている。

メラノーマの治療薬はスイスの製薬大手ロシュと共同で治験中で、米国で承認された場合、第一三共はロシュ子会社のジェネンテックと共同で営業をする。

第一三共は抗がん剤を重点分野の一つに掲げており、08年にドイツの医薬品ベンチャー、ユースリー・ファーマを買収した。プレキシコンを買収することで世界最大市場である米国でのがん新薬候補を増やすとともに、物質を化学合成して作る低分子医薬品の研究拠点も獲得する。

世界の製薬大手は今後の需要が見込める抗がん剤の品ぞろえを拡充しており、武田薬品工業やアステラス製薬、エーザイなど日本の製薬大手もこの2~3年、抗がん剤の研究開発を強みとする海外の医薬品ベンチャーの買収を積極化している。

2011年3月1日 日本経済新聞