2011年3月19日土曜日

陽子線がん治療装置の拡販

住重、がん治療装置を拡販

住友重機械工業は陽子線がん治療装置で、2011年に国内外5件の受注を目指す。平面サイズ20メートル四方の小型装置を国内の各地域の拠点病院などに提案する一方、大型装置で米国・アジア市場を開拓する。がん患者の増加に対応し、導入を提案する。住重は同装置を現在、国内と香港、台湾で計3件受注した実績がある。国内では小型の初号機を相澤病院(長野県松本市)に13年度にも納入する予定。これを生かし、地域拠点病院の需要を掘り起こす。小型の価格は建物を含めて約50億円。

香港、台湾から受注したのは縦35×横45メートルの大型機器で、価格は同約80億円。国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)に納入したものと同タイプで、10年間以上の運用ノウハウを持つ。

同装置は対象患部にエネルギーを集中できるため治療効率が高く、重要な臓器を守れるのが特徴。患者がベッドに横たわったまま患部に360度方向から照射できるため、短時間で肺がん前立腺がんなどを治療できる。

競合としては日立製作所や三菱電機、ベルギーIBA、米バリアンなどがあるが、住重は小型で先行する。

2011年3月18日 朝日新聞