2011年3月19日土曜日

東アジア型の強いピロリ菌で胃がん

日本人が感染する東アジア型のピロリ菌は病原性が非常に強い

WHO(世界保健機関)に所属する国際がん研究機関によって、「胃がんの明らかな発がん物質」と認定されているピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ菌)。一度感染したら、除菌治療を受けない限り、一生感染した状態が続くというピロリ菌とは、いったいどんな菌なのか。
ピロリ菌がヒトの胃から見つかったのは、ほんの約30年前。それまでは胃の中は酸性度が高いため、細菌がいるはずがないと考えられてきた。その常識が、ピロリ菌の発見を約100年も遅らせた。
ピロリ菌発見者のひとり、マーシャル教授は、ピロリ菌が胃炎の原因であることを証明するためにピロリ菌入りスープを飲み、激しい胃炎に…。その功績(?)によって2005年にノーベル生理学・医学賞を受賞した。
日本人の多くが感染している東アジア型のピロリ菌は病原性が非常に強く、胃がんを引き起こしやすい。このため、日本を含む東アジアでは欧米に比べ、胃がんが多いと考えられている。
日本人女性の約10%、中学生の1.8%に見られる鉄欠乏性貧血に、ピロリ菌が関連する可能性が指摘されている。ほかにも偏頭痛や慢性じんましん、認知症など、多くの病気との関連について、研究が進められている。

2011年3月19日 女性セブン2011年3月31日・4月7日号