2011年3月19日土曜日

がん予防に有効な食品とは

ブロッコリーガンの予防に効くわけとは?

ブロッコリーやカリフラワーに代表されるアブラナ科の植物は、「ガンを予防する健康12食品群」として知られている。その活性成分は、イソチオシアネートと呼ばれ、ガン細胞特異的にアポトーシス(プログラム細胞死)を誘導することがわかっている。しかし、それが一体どのようなメカニズムで引き起こされるのかは、これまで全く不明だった。

今年の1月11日、『J. Med. Chem.』誌に掲載された論文(購読無料)によると、米ジョージタウン大とコロンビア大の共同研究チームは、イソチオシアネートの添加により、培養ガン細胞の変異型p53タンパク質の量が著しく減少することを発見した。一方、同量のイソチオシアネートにより、正常細胞の正常型p53タンパク質の量は、ほとんど影響を受けなかった。

p53というのは、ガン抑制遺伝子の一つで、DNAが損傷を受けた細胞にアポトーシスを誘導し、その細胞がガン化するのを防いでいる。ヒトのガン細胞の約半数は、この遺伝子に変異を持っており、その変異型p53タンパク質ではアポトーシスを誘導できず、その結果細胞がガン化したり、抗がん剤や放射線治療に対して抵抗性を持ったりすると考えられている。

今回、イソチオシアネートによってこの変異型p53タンパク質が減少することが示されたことから、これがすでに知られていた、イソチオシアネートのガン細胞に対するアポトーシスの誘導と何らかの関連性があることが示唆されたわけだ。まあ、そのメカニズムはともあれ、ブロッコリーがガンの予防に効果的なことは確かなようなので、日々の食生活の中で積極的に摂取するよう心がけたいものである。

2011年3月19日 スゴモリ