2011年3月1日火曜日

韓国の抗がん剤新薬

バイオシミラー、数年内に「金の卵」になるか

●急成長するバイオ医薬品市場

細胞培養や人体ホルモンの遺伝子組み換えなどの方法で開発するバイオ新薬は、従来の合成医薬品では難しかった病気を治療し、急成長を遂げてきた。最初のバ イオ新薬は1982年、米ジェネンテックが遺伝子組み換え技術で開発したインスリン。その後、ホルモン剤やインターフェロン、予防ワクチンなど、様々なバ イオ医薬品が登場した。

バイオ医薬品市場が猛スピードで成長を遂げている。06年、世界医薬品市場規模6430億ドル(約723兆ウォン)のうち、バイオ医薬品は762億ドル と、11.9%占めた。その割合は昨年9000億ドルのうち、16.0%(1442億ドル)へと高まった。20年は21.8%へと高まるものと見られる。

バイオ医薬品の成長スピードは、国内でも相当速い。09年基準の従来製薬業の生産規模伸び率は6.4%に止まったが、バイオ医薬品は37.0%成長し、5倍以上の成長スピードを見せた。

三星(サムスン)は、バイオ医薬品市場に進出し、バイオ新薬よりバイオシミラーの開発を先に進めることにした。バイオ新薬に比べ、バイオシミラーはコストが少なく、成功確率が高いからだ。バイオシミラーの平均開発費用は、新薬の10分の1レベルであり、開発期間も半分程度で、成功確率は約10倍高い

医薬品市場で大ヒットした多くのバイオ新薬の特許期間が12年以降切れるこ とも、バイオシミラー事業の先行きを明るくさせる要因となっている。08年、64億ドルの売上を上げたアムジェン社のリウマチ関節炎の治療剤「エンブレ ル」の特許期限が12年に切れることを皮切りに、13年は「レミケード」(08年売上=53億ドル)、「エポジェン」(08年売上=51億ドル)など、有 名な新薬の独占販売が期限切れを迎える。

●バイオシミラー開発に乗り出した国内企業

国内企業は1990年代初頭、人体成長ホルモンや貧血治療剤「EPO」(エリスポロエチン)など微生物を利用した第1世代バイオシミラーを開発したが、内需向けに止まった。

今は、単一クローン抗体などを利用して作る第2世代バイオシミラーの開発段階。設備容量基準では世界3位のバイオ医薬品の生産施設を備えているセルトリオンは、乳がん治療剤「ハーセプチン」、リウマチ関節炎治療剤「レミケード」などのバイオシミラーを開発している。LG生命科学やハンファケミカルは、エンブレルのバイオシミラーに対し、臨床試験を行っている。三星は、血液がんリンパ種治療に使用される「リツキサン」バイオシミラーを巡り、臨床試験計画承認を申請している。リツキサンは、15年に特許期限が切れる。

知識経済部の関係者は、「現在は技術や経験などで、米国や欧州などに後れを取っているが、バイオシミラーで、開発経験を蓄積し、販売力量などを強化すれば、自然にバイオ新薬の開発へと移行することになるだろう」と話した。

2011年3月1日 東亜日報