2011年3月8日火曜日

精巣がん克服の自転車ロードレース名選手

劇的な「自転車人生」に幕=がん撲滅目指す活動へ-アームストロング

自転車ロードレースの名選手として鳴らしたランス・アームストロング(39)=米国=が引退を表明し、劇的な競技人生に幕を下ろした。一説には生存率数パーセントとも言われる精巣腫瘍を克服した後、前人未到のツール・ド・フランス7連覇を果たした「超人」。今後は、がん撲滅を目指す活動も積極的に行う。

トライアスロンから自転車のロードに転向し、トップ選手へと歩んでいったが、25歳で悪性の精巣腫瘍を発病。化学療法の苦しみは想像を絶したという。リハビリと過酷な練習を積んで乗り越え、精神的にも成長した。
ロードレースは欧州が主戦場。米国人で、一時は生死の境をさまよったアームストロングが歴史と伝統を誇る大会で強さを見せつけたことから、ドーピング(禁止薬物使用)が疑われるようになる。その疑惑とも闘った。
2005年にツール・ド・フランス7連覇を達成した後、いったん現役を退いた。復帰した09年の同レースでは総合3位。最後の出場となった今年1月のオーストラリアでの大会は67位だった。


AFP電によると、国際自転車競技連合(UCI)のマッケイド会長は「彼はロードレースの世界的な象徴だった」と賛辞を送った。競技と闘病で培った「不屈の精神」が、人々を勇気づけた。アームストロングは「これからは、がんに苦しむ人たちを救うために設立した団体の運営に多くの時間を費やしたい」と話している。

2011年3月8日 時事通信