2011年3月4日金曜日

陽子線がん治療施設が新規オープン

最先端の治療装置を備えた「陽子線がん治療センター」が7日、福井市の県立病院内にオープンする。既に県内外から17件の治療予約があり、患者の受け入れ態勢はほぼ万全。3日には、施設内が報道陣に公開された。

陽子線治療は、がん病巣を集中的に破壊でき、エックス線治療と比べて副作用が少ないのが特徴。治療対象は、病巣の位置がはっきりしている頭頸部(けいぶ)腫瘍、非小細胞肺がん、肝細胞がん、前立腺がん、転移性腫瘍の5疾患で、患者は通院して8~39回の治療を受ける。

この日は、上あごのがんの模擬患者を用い、山本和高センター長が治療の流れを説明。コンピューター断層撮影(CT)や磁気共鳴画像装置(MRI)でがんの位置や形状を詳しく調べ、照射する陽子線の方向や量などを定めた上で治療を進める手順を示した。
今後、より精度の高い陽子線治療ができる「積層原体照射システム」を世界で初めて導入する予定。山本センター長は「総合病院内にあることで、他の 治療法と組み合わせるなど、より高い効果が期待できる」と説明し、「実績を重ね、治療できる疾患を広げていきたい」と意欲を語った。
センターは、県が94億円をかけて整備。6日に開所式が行われ、7日から治療を開始する。

2011年3月4日 福井新聞